第2回:在留資格ってそもそも何?
― 制度の全体像と、現場でよくある誤解を整理しよう
はじめに:「ビザ」と「在留資格」は同じもの?
外国人を雇用する企業の担当者や、本人からもよく聞かれるのが「ビザって何?」「在留資格とどう違うの?」という質問です。
実は、日本での滞在に関する制度では、「ビザ」と「在留資格」は別のものとして扱われます。
- ビザ(査証):日本に入国するために必要な「入国許可証」のようなもの。海外の日本大使館・領事館で発行されます。
- 在留資格:日本に入国した後、どのような活動をしてよいかを定める「滞在中の活動許可」。入国管理局(出入国在留管理庁)が管理します。
つまり、ビザは入口、在留資格は滞在中のルールです。
🗂️ 在留資格の種類と分類
在留資格は、活動内容によって大きく3つに分類されます:
分類 | 主な在留資格 | 活動内容の例 |
---|---|---|
就労系 | 技術・人文知識・国際業務、特定技能、技能実習など | 企業で働く、専門職、技能職など |
身分系 | 永住者、日本人の配偶者等、定住者など | 家族としての滞在、永住など |
非就労系 | 留学、研修、短期滞在など | 学ぶ、観光、短期の活動など |
企業が外国人を雇用する場合、就労系の在留資格が関係してきます。
⚠️ よくある誤解と注意点
現場でよく見られる誤解には、以下のようなものがあります:
- 「在留カードがあるから、どんな仕事でもできる」→ ❌活動内容は在留資格によって制限されます
- 「特定技能ならすぐに永住できる」→ ❌永住には別の条件が必要です
- 「転職しても在留資格はそのままでいい」→ ❌活動内容が変わる場合は資格変更が必要です
これらの誤解は、企業側の制度理解不足から生じることも多く、外国人本人だけでなく企業にも制度の正しい理解が必要です。
🧭 行政書士ができること
行政書士は、こうした制度の誤解を防ぎ、正しい手続きと運用をサポートする「制度のナビゲーター」です。
企業を通じて支援することで、外国人本人が安心して働ける環境を整えることができます。
🔜 次回予告:転職するときに気をつけたい在留資格のポイント
第3回では、「在留資格はどう取るの?」というテーマで、手続きや注意点を詳しく解説します。
企業が採用する際に知っておきたいポイントも紹介します。