第5回:家族を呼び寄せたいときはどういう手続きをすればいいの?
制度の特徴と、現場での行政書士の活用事例を紹介
日本で働く外国人にとって、家族と一緒に暮らすことは大きな安心につながります。企業にとっても、生活の安定は定着率やパフォーマンスに直結する重要な要素です。今回は「家族の呼び寄せ」に関する制度と、現場での行政書士の支援事例を紹介します。
🏠 家族を呼び寄せるための在留資格とは?
- 「家族滞在」
→ 就労ビザを持つ外国人が、配偶者や子どもを日本に呼び寄せる際に使われる在留資格。 - 対象となる家族
→ 配偶者(法律上の結婚)と未成年の子どもが基本。事実婚や成人した子どもは原則対象外。
📋 手続きの流れ
- 雇用主・本人が準備する書類
- 雇用契約書、収入証明、住民票、家族関係証明書(婚姻証明書・出生証明書など)
- 在留資格認定証明書(COE)の申請
- 入管へ申請。審査には1〜3ヶ月程度かかる
- 海外の家族がビザ申請
- COEを使って現地の日本大使館・領事館で申請
- 入国・在留カードの取得
- 入国時に在留カードが発行され、滞在が可能に
⚠️ 注意すべきポイント
- 収入要件に注意
→ 呼び寄せる家族の生活を支えられるだけの収入があるかが審査対象。目安は年間約250万円以上。 - 住居の確保
→ 家族が安心して暮らせる住環境があるかも重要。住居の広さや契約内容も確認されることがある。 - 書類の翻訳と整合性
→ 外国語の証明書は日本語訳が必要。翻訳ミスや不一致は審査に影響するため、専門家のチェックが有効。
👨⚖️ 行政書士の活用事例
- 事例①:収入証明の整理と補足説明
→ 派遣社員として働く外国人のケース。行政書士が収入の安定性を説明する補足資料を作成し、無事認定。 - 事例②:婚姻証明書の翻訳と正確な提出
→ 本国の書式が複雑だったが、行政書士が現地の制度を調査し、正確な翻訳と説明文を添付して申請成功。 - 事例③:企業との連携による住居証明の強化
→ 企業が社宅を提供するケース。行政書士が企業と連携し、住居の安定性を説明する資料を作成。
💡 企業ができる支援とは?
- 制度の情報提供
→ 外国人社員に対して、家族滞在制度の概要をやさしい日本語や母語で説明 - 専門家との連携
→ 行政書士との連携を通じて、申請の精度と安心感を高める - 生活支援の体制づくり
→ 家族の来日後も、地域とのつながりや子育て支援などを意識したサポートが定着につながる
🗣️ 現場からの声
「家族と一緒に暮らせることで、仕事にも集中できるようになった。企業の支援が心強かった」
次回は「家族が日本に溶け込むために」をテーマに、制度の特徴や現場での活用事例を紹介します。