第8回 住まい探し・引っ越しのときに気をつけたい行政手続き
―「契約」「住所変更」「在留資格」…見落としがちなポイントを行政書士と確認しよう
🏠 はじめに:新しい住まいは新しいスタート。でも手続きは意外と複雑
外国人の方が住まいを探すとき、「契約が通らない」「保証人がいない」「手続きがわからない」といった不安の声が多く聞かれます。引っ越し後も、住所変更や在留資格との整合性など、制度上の注意点がいくつかあります。今回は、行政書士がどのように“住まいの不安”に寄り添えるかを紹介します。
🏢 1. 賃貸契約の壁:外国人だから断られる?
- 一部の不動産会社では、言語・文化の違いから契約を敬遠されるケースも
- 「保証人がいない」「日本語が不安」などの理由で契約が難航することも
- 行政書士が契約時の説明支援や、保証人制度の案内を行うことで、安心して契約できる事例も増加中
📝 2. 引っ越し後に必要な行政手続き一覧
手続き | 期限 | 届出先 | 備考 |
---|---|---|---|
転出届・転入届 | 14日以内 | 市区町村役所 | 住民票の移動が必要 |
在留カードの住所変更 | 14日以内 | 入管または市区町村 | 裏面に新住所を記載 |
国民健康保険の変更 | 速やかに | 市区町村役所 | 保険証の再発行が必要 |
郵便の転送届 | 任意 | 郵便局 | 旧住所宛の郵便物を転送 |
📌 3. 在留資格との関係:住所変更が影響することも
- 一部の在留資格(例:特定技能、技能実習など)は住居の安定性が審査対象になることも
- 引っ越しによって勤務先との距離が大きく変わる場合、入管から確認が入るケースも
- 行政書士が事前に制度との整合性を確認し、必要な届出をサポートすることで安心感が生まれる
🤝 4. 行政書士ができるサポートとは
- 賃貸契約時の書類確認・説明支援
- 引っ越し後の住所変更手続きの代行・同行
- 企業側への住居変更に伴う制度説明
- 外国人本人が制度を理解し、自信を持って生活できるよう支援
💡 5. 実例紹介:引っ越しで不安だったBさんが安心して新生活を始められた話
例:技能実習から特定技能へ移行したBさん。引っ越し先の契約で保証人が見つからず困っていたが、行政書士が不動産会社と連携し、契約をサポート。引っ越し後の住所変更もスムーズに完了し、企業側も制度理解が深まった。
🌱 おわりに:住まいは「暮らしの土台」。制度と現場のギャップを埋めて安心を
住まい探しや引っ越しは、生活の基盤づくりです。制度の壁にぶつかる前に、行政書士と一緒に“見える化”しておくことで、外国人の方も企業も安心して新生活を始められます。次回は「子どもの教育と進学―外国籍の家庭が知っておきたい制度」についてお届けします。