第10回 永住・帰化を考え始めたら―人生設計に寄り添う制度の使い方
―「ずっと日本で暮らしたい」その気持ちに、制度と現場の両方から応える行政書士の役割
🏡 はじめに:定住への希望は、人生設計の一部
「子どもが日本で育っている」「仕事も安定してきた」「家族と安心して暮らしたい」――そんな声が増えてきたとき、永住や帰化という選択肢が現実味を帯びてきます。ただし、制度の要件は複雑で、準備不足による不許可も少なくありません。今回は、行政書士がどのように“人生設計の伴走者”として支援できるかを紹介します。
📌 1. 永住と帰化の違いとは?
項目 | 永住許可 | 帰化申請 |
---|---|---|
国籍 | 外国籍のまま | 日本国籍に変更 |
在留資格 | 永住者として無期限 | 日本人として登録 |
審査基準 | 素行・収入・在留期間など | 永住基準+日本語能力・国籍離脱など |
手続き先 | 出入国在留管理庁 | 法務局 |
📅 2. 永住申請の主な要件
- 原則として10年以上の継続在留(就労資格で5年以上が目安)
- 安定した収入と納税記録が必要
- 素行が善良であること(交通違反や軽微な法令違反も影響)
- 在留資格の更新が適切に行われていること
📝 3. 帰化申請のポイント
- 日本語能力(日常会話レベル以上)
- 国籍離脱の意思(二重国籍不可)
- 生活の安定性(収入・住居・家族構成)
- 法務局との面談・書類審査が複数回にわたる
🤝 4. 行政書士ができるサポートとは
- 永住・帰化の要件確認と事前診断
- 必要書類の収集・整理・翻訳支援
- 入管・法務局とのやりとりの代行・同行
- 企業側への制度説明と協力体制の構築支援
💡 実例紹介:永住申請で不安だったDさんが安心して許可を得た話
例:技能実習から特定技能、そして技術・人文知識・国際業務へとステップアップしたDさん。行政書士が収入記録や納税履歴を整理し、永住申請をサポート。企業も協力し、無事に永住許可が下りたことで、家族との安定した暮らしが実現。
🌱 おわりに:制度の先にある「安心して暮らせる未来」へ
永住や帰化は、制度の最終ステージではなく、安心して暮らすための“スタートライン”です。行政書士は、制度と現場の間に立ち、外国人本人と企業の両方に寄り添う“橋渡し役”として、人生設計の伴走者になれます。
これで今回の特集は終わりです。自治体のよって異なる複雑な制度など、外国人の方にはとても難しいことがいっぱいだと思います。行政書士としてそれらのサポートができればと考えておりますので、何借りましたら是非ご相談ください。