第3回:紙からデジタルへ ― 電子申請の拡大で企業の手続きはどう変わる?
はじめに
2026年1月施行の改正行政書士法では、行政書士がデジタル社会に対応する専門職としての役割を果たすことが明記されました。
これにより、企業が行政書士に依頼する手続きも、紙から電子へと大きく変化していきます。中小企業にとっては、手続きの効率化と情報管理の見直しが求められるタイミングです。
改正のポイント:デジタル社会への対応
- 行政書士が「デジタル社会に対応する能力を備えること」が法律上の責務に
- 電子申請・オンライン手続きの活用が前提となる業務が増加
- 企業側も「紙ベースのやりとり」から「データ連携・電子契約」への移行が進む
中小企業にとっての変化とメリット
| 変化 | 企業にとってのメリット |
|---|---|
| 電子申請の拡大 | 役所への出向が不要に。時間・交通費の削減。 |
| データ連携の強化 | 書類のやりとりがスムーズに。ミスや再提出の防止。 |
| 行政書士のIT対応力向上 | デジタルに強い専門家と連携できる安心感。 |
実務での活用シーン
- 許認可申請:建設業・飲食業などの申請がオンライン化。行政書士が代理申請することで企業の負担軽減。
- 外国人雇用関連:在留資格申請や更新も電子化が進行中。企業と行政書士のデータ共有が鍵に。
- 契約・報酬管理:電子契約やクラウド管理による報酬の透明化・履歴管理が可能に。
企業が今からできる準備
- ✅ 行政書士とのやりとりを「メール・クラウド・電子契約」に切り替える
- ✅ 社内の申請書類や証憑類をデジタル化しておく
- ✅ ITに強い行政書士を選定し、継続的な連携体制を整える
まとめ
改正行政書士法は、行政書士だけでなく企業の手続きのあり方そのものを変える契機になります。
「紙のやりとりが当たり前」だった時代から、「デジタルでつながる専門家との連携」へ。中小企業にとっては、効率化と安心感を両立できるチャンスです。
次回は「特定行政書士の業務範囲拡大」について、企業のトラブル対応や不服申立て支援の可能性を解説します。

