第4回:不服申立て対応も可能に?特定行政書士の業務拡大と企業メリット
はじめに
2026年の改正行政書士法では、特定行政書士の業務範囲が拡大され、企業にとっても“頼れる場面”が広がります。
これまで特定行政書士の業務範囲は「行政書士が作成した申請書類に関する審査請求等」が対象でしたが、今後は「行政書士が作成することができる申請書類に関する審査請求等」と変わり、より深い支援が可能になります。具体的には本人が申請してうまくいかなかった申請書類に対するサポートもできるようになりました。
中小企業が行政と関わる場面で、トラブル時の選択肢が増えることは大きなメリットです。
特定行政書士とは?
- 特定行政書士は、所定の研修と考査を修了した行政書士で、行政庁に対する不服申立て書類の作成・提出が可能 ※現在は私は特定行政書士ではありませんので、ご紹介させていただきます
- 2026年改正で、業務範囲がさらに明確化・拡大され、企業支援の幅が広がる
改正のポイント:業務範囲の拡大
| 改正内容 | 実務への影響 |
|---|---|
| 不服申立て書類の作成・提出が可能に | 行政処分への対応を行政書士に相談・委任できる |
| 業務範囲の明確化 | 企業が「どこまで頼めるか」を判断しやすくなる |
| 専門性の強化 | 特定行政書士の活用で、法的リスクへの備えが可能に |
中小企業にとっての活用シーン
- ✅ 許認可の取消や不許可への対応
→ 例えば建設業許可の更新が不許可になった場合、特定行政書士が不服申立てを支援 - ✅ 外国人雇用に関する行政処分への対応
→ 在留資格の不許可・取消などに対し、企業と外国人双方を支援できる体制が整う - ✅ 行政指導や是正勧告への対応
→ 書類作成だけでなく、行政とのやりとりを伴走してもらえる安心感
企業が今からできる準備
- ✅ 特定行政書士の有無を確認し、顧問・連携先として検討
- ✅ 行政処分リスクのある業務(許認可・外国人雇用など)を洗い出しておく
- ✅ 社内で「不服申立て=弁護士」だけでなく「行政書士も選択肢」として認識を共有
まとめ
特定行政書士の業務拡大は、中小企業が行政と向き合う場面で“もう一歩踏み込んだ支援”を受けられる制度改正です。
行政処分や不許可といった“もしもの時”に、書類作成だけでなく実務的な対応まで伴走してくれる専門家がいることは、企業にとって大きな安心材料になります。
次回は「行政書士でない者の制限違反の明文化」について、企業が気をつけるべきポイントを解説します。

