特集:経営者のための「戦略的」相続税対策(全3回)

【第3回】実行力が鍵!エンジニア流「相続対策PDCAサイクル」の回し方

「対策は立てたが、結局そのままになっている」

「数年前に作った計画が、今の法律や資産状況に合っていない」

相続対策を一度きりの「イベント」と考えてしまうと、こうした状況に陥りがちです。しかし、生産現場の改善に終わりがないように、相続対策も「運用とメンテナンス」が最も重要です。

最終回では、立てた計画を確実に実行し、状況の変化に合わせて最適化し続けるための「エンジニア流・PDCA管理術」を解説します。


1. 「資産の定期点検」を仕組み化する

製造装置に定期点検(PM)が必要なように、相続対策も定期的なアップデートが不可欠です。

  • 根拠: 税法は毎年改正され、不動産価格や自社株の評価も変動します。一度作った計画を放置することは、古い設計図で製品を作るようなリスクを伴います。
  • 具体例: ITパスポートの知識を活かし、資産データをクラウド(共有ストレージ)で管理。年に一度、決算期に合わせて「相続シミュレーション」を再実行するルーチンをカレンダーに組み込みます。
  • 結論: 管理を「属人化」させず、システム的に情報を更新し続ける仕組みこそが、土壇場での慌て防止に繋がります。

2. FP視点での「毎年の暦年贈与」の最適化

相続税を抑えるための王道である「生前贈与」は、継続性が命です。

  • 根拠: 2024年からの税制改正により、相続開始前の贈与加算期間が7年に延長されました。これまで以上に「早く、長く、計画的に」贈与を行うことが、ダイレクトに納税コストの削減に寄与します。
  • 具体例: FPとして、単に現金を渡すだけでなく、その資金を子世代の「つみたてNISA」などの運用に充てる提案を行います。これにより、一族全体の資産形成を加速させることができます。
  • 結論: 毎年の贈与を「労務管理」のように淡々と、かつ正確な記録(証憑)を残しながら継続することが、確実な節税効果を生みます。

3. 専門家を「外部の品質管理(QC)」として使う

経営者お一人で、法務・税務・労務のすべてを完璧に把握し続けるのは不可能です。

  • 根拠: 法律の解釈ミスは、後の税務調査で大きなコストとなって跳ね返ってきます。
  • 具体例: 私のような行政書士や、提携する税理士、社労士を「外部の監査役」として活用してください。定期的な面談を行うことで、最新の法改正情報を自社の対策に即座に反映させる「法務のPDCA」が回ります。
  • 結論: 専門家を「問題が起きた時に呼ぶ修理工」ではなく、「未然に防ぐ品質管理チーム」として位置づけることが、事業と財産を守る最善策です。

特集のまとめ

全3回を通じてお伝えしたかったのは、「相続対策は論理的な経営課題である」ということです。

そのため、法務・労務・ITの3つのギアを噛み合わせれば、相続は「恐れるべき不安」から「コントロール可能なプロセス」へと変わります。

皆様の会社とご家族が、次の世代へ笑顔でバトンを渡せるよう、私はこれからも技術と法律の両面からサポートし続けます。

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見よう見まねでまずはホームページを立ち上げてみました。これから少しずつレベルアップしていくと思うので、長い目で見てやってください。

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