【第5回】永住への最短ルート:在留期間「3年」または「5年」を維持する重要性

連載第1部の最終回となる今回は、令和8年の改正資料(別添1・4)から読み解く、「在留期間」と「永住申請」の密接な関係について解説します。


1. 結論:永住申請には「最長の在留期間」が必要

永住許可を得るための法律上の要件として、「現に有している在留資格について、最長の在留期間をもって在留していること」が定められています(別添4)。

注)現在、多くの就労ビザでは「5年」が最長ですが、令和9年3月31日までの間は、実務上は「3年」の許可を受けていれば、この要件を満たしているものとして扱われます。


2. 根拠:期間短縮を招く「新ルール」の監視

今回の令和8年2月の事務連絡では、在留期間が短縮される(=永住が遠のく)リスクが具体的に示されています。

① 派遣形態における「契約期間」との連動(別添1)

  • 新ルールでは、「派遣契約期間に応じた在留期間が決定される」ことが明記されました。
  • 契約期間が短い、あるいは派遣先が頻繁に変わるような不安定な実態があると判断されると、在留期間「1年」が指定されやすくなり、結果として永住要件を満たせなくなります。

② コンプライアンス違反による「期間短縮」

  • ガイドラインの改訂により、公的義務(納税・年金等)の履行状況が厳格化されました。
  • 納期限を守らない、あるいは届出を怠るなどの「仕様違反」があると、次回の更新で在留期間が「3年」から「1年」にランクダウンされる可能性が高まります。


3. 具体例:1年の壁に阻まれるエンジニア

例えば、技術力は非常に高いものの、転職を繰り返し、その都度「所属機関の届出」を忘れていたエンジニアがいたとします。

  • リスク: 入管のデータベースには届出遅延のログが残ります。次回の更新時、本来なら「3年」が出るはずの経歴であっても、「素行や届出状況に問題あり」と判断され、「1年」の許可しか出ないことがあります。
  • 永住への影響: これにより、他の要件(居住歴10年など)を満たしていても、永住申請ができなくなってしまいます。

【視点別アドバイス】

  • コンプライアンス(法務)視点: 在留期間「3年」以上を確保し続けることは、単なる事務手続きではなく、永住権という「資産」を守る防衛策です。
  • コスト・労務(社労士)視点: 毎年更新手続きが発生する「1年ビザ」は、企業にとっても更新費用や事務工数というコストを増大させます。早期に「3年」以上の許可を得られるよう、社内規定や雇用契約の適正化を図るべきです。
  • 効率化・DX視点: 従業員ごとの在留期限、届出の有無、納税状況をダッシュボード化し、アラートが出る仕組みを構築しましょう。

第1部(全5回)のまとめ

これまで5回にわたり、令和8年の最新改正情報をお届けしてきました。

  1. 派遣の新ルール(派遣先の早期確定)
  2. 企業内転勤の書類刷新(資本関係と経歴の透明化)
  3. 永住ガイドラインの厳格化(納期限遵守の徹底)
  4. 在留期間の重要性(永住への必須パス)

これらすべてに共通するのは、入管が「より正確なデータ(エビデンス)」と「高い誠実性(コンプライアンス)」を求めているということです。

次回からは、「入管Q&A特集」として、現場から寄せられるより具体的な疑問に、最新の回答(別添3)を基にお答えしていきます。

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