相続対策って何のこと? その2


前回の続きです。
相続対策の順序についてですが、「相続税の軽減対策」「納税資金対策」「争族対策」のうちどれが最初い考えるべきものだと思いますか?
実は、①「納税資金対策」、②「争族対策」、」③「相続税の軽減対策」の順で考えるのがいいと一般的に言われています。 ちょっと意外でなかったですか?

まず、①「納税資金対策」についてですが、現金が十分にある場合はもちろんそれで払えるからいいのですが、多くの場合は土地や建物(特に住居としているもの)や株などの金額が大きいことが多いです。それらは簡単には売ったりできないことも多いです。自社株なども売れませんよね。
だから、まずどうやって納税するかを考えてください。

具体的には、現金以外の資産を換金していくことです。土地などはすぐには売れないことも多いので早めに動いておくことが大切です。物納という手もありますが、まずはそれよりも有利な価格で売ることを考えましょう。

続いて②「争族対策」です。我が家は仲の良い家族だから大丈夫と言っても、例えば相続税の納税後に現金、有価証券等がほとんどなくなり、あとは自宅だけ、という場合は、相続人間の相続額に大きな差が生じてしまします。さすがにそれでは納得できない家族も出てくるのはやむを得ないことだと思いませんか。
そんなときも、自宅を売却して金銭になれば当然納得のいく分割はしやすくなります。
ただ、その家に住み続ける人がいる場合は売却するわけにはいかないでしょう。今どきは多少薄れてはきたかと思いますが、先祖代々の土地を守るっていう考えからもまだまだ根強く残っている地域、家族はあるかと思います。
家を相続する人に財産があれば、他の相続人にその人から現金を渡して調整するという方法もあります。それも難しければ、親族で事前に十分に話し合って納得させておくことがとても重要になります。