第10回:行政書士が語る“企業の信頼力”―外国人採用で伸びる会社の共通点
― 書類だけでなく“人と向き合う”姿勢が選ばれる理由に
📍 はじめに:「採用できる会社」と「選ばれる会社」は違う
在留資格や労務管理の整備は当然として──
“外国人が安心して働きたいと思える企業”には、ある共通点があります。
それは、「制度」や「支援」を超えて、“人を大切にする姿勢”が伝わる会社であること。
この記事では、行政書士として実際に接してきた企業事例をもとに、伸びる企業の「信頼力」の正体に迫ります。
🧭 信頼される企業の共通点とは?
✅ 1. 「書類がきちんとしている」だけでは足りない
- 就労ビザの申請書類が完璧でも、本人への説明や相談対応ができていなければ離職に繋がる
- 「書類で終わらず、言葉で伝える・聴く」文化がある会社は定着率が高い
✅ 2. 外国人を“コスト”ではなく“関係性”として捉えている
- 「採ったら終わり」ではなく、「育てる・支える」が経営の視点にある
- 人事評価やキャリア支援にも“外国人社員を含めた視点”がある企業は、本気度が伝わる
✅ 3. 小さなことでも“気にかける”習慣がある
- ゴミ出しのルールを説明する/災害時の避難所を案内する など、生活への気配りも評価されるポイント
- 「わからないことが聞ける雰囲気」が、何よりの安心材料に
📌 共通しているのは、“信頼=時間と手間を惜しまない姿勢”の積み重ねです。
🛠 実務でできる「信頼力アップ」の仕掛け例
工夫 | 効果 |
---|---|
採用面接時に“生活サポート内容”も説明 | 不安軽減と期待感の醸成 |
入社後のチェックリストに「生活支援」「感情面」のヒアリング項目を追加 | モヤモヤを早期に察知 |
母語と日本語で作成した「働く心得リーフレット」 | トラブル未然防止+企業姿勢の可視化 |
💬 企業に言われて嬉しかった一言
「あなたが家族と安心して住めるように、会社としてもできることを考えます」
── 特定技能ビザで働くフィリピン人男性が語った“忘れられない言葉”
こうした言葉は、“制度対応”ではなく“人間対応”。
書類の外側にある信頼の種を、企業の中に育てていくことが、定着と活躍につながります。
✍️ 結び:信頼を重ねた会社だけが「成長できるチーム」を育てられる
国籍の違いはあっても、「自分を大切にしてくれる場所かどうか」は誰にとっても重要な判断軸。
企業がその信頼を得られるかは、日々の一言、仕組み、対応の積み重ねにかかっています。
行政書士としての支援も、単なる申請代行ではなく、
「制度の使い方」+「人への向き合い方」まで寄り添っていくことがこれからの価値ではないでしょうか。
以上で今回の特集は終わりです。いかがだったでしょうか。取り扱ってほしいテーマがあればどしどしご意見をお寄せください。 首を長くしてお待ちしています。