― 外国人雇用企業のための実践ガイド ―
JLPTと在留資格の関係は一律ではありません。制度ごとの要件と“目安”を正しく理解することで、外国人雇用の現場での誤解やトラブルを防ぐことができます。
第1回:JLPTと在留資格 ― 制度との関係を正しく理解する
「N4がないと在留資格が取れない」といった誤解が現場で広がることもあります。JLPTと在留資格制度の関係を正しく理解することで、採用時の判断ミスやトラブルを防ぐことができます。
🧩 技能実習・特定技能・技人国とJLPTの関係
在留資格と日本語能力試験(JLPT)の関係は、制度ごとに異なります。
- 技能実習:日本語能力の要件は制度上明記されていませんが、実習計画の認定や受入企業の指導体制において、一定の日本語力が求められることがあります。JLPTは“参考”として使われることが多いです。
- 特定技能1号:JLPT N4またはJFT-Basicの合格が必須要件です。これは「日本で生活・就労する上で最低限の日本語力があること」を証明するためです。
- 特定技能2号:原則として日本語試験は不要ですが、外食業・漁業分野ではN3以上が求められるケースがあります。
- 技術・人文知識・国際業務(技人国):JLPTの合格は要件ではありませんが、業務内容に応じた日本語力があることが前提です。実務上、N2以上が望ましいとされることが多いです。
🧠「N4以上が必要」とはどういう意味か?
「N4以上が必要」という表現は、「制度上の“要件”」と、「企業側の“目安”」が混同されやすいポイントです。
- 特定技能1号では、N4以上が“必須”(=合格していないと申請できない)です。
- 技人国では、N2以上が“望ましい”(=制度上の要件ではないが、業務遂行上必要)とされることが多いです。
- 技能実習では、N4やN5が“参考基準”として使われることがありますが、法的な要件ではありません。
⚠️ 誤解しやすい“要件”と“目安”の違い
| 在留資格 | JLPTの位置づけ | 誤解されやすい点 |
|---|---|---|
| 技能実習 | 任意・参考基準 | 「N4がないと入国できない」と誤解されがち |
| 特定技能1号 | N4またはJFT-Basicが必須 | JFT-BasicでもOKなのにN4に限定してしまう |
| 特定技能2号 | 原則不要(分野によりN3) | 「2号なら日本語力は不要」と一律に考えてしまう |
| 技人国 | 要件なし(実務上N2以上が望ましい) | 「N2がないと技人国は取れない」と誤解されがち |
✅ まとめ:制度理解が“安心の雇用”につながる
JLPTは在留資格の取得において「必須要件」となる場合もあれば、「目安」や「参考情報」にとどまる場合もあります。制度ごとの違いを正しく理解し、現場での判断に活かすことが、外国人雇用の安心と信頼につながります。
次回は、JLPTの制度的な背景と、現場での誤解について整理します。

