第6回:企業も責任を問われる?業務制限違反の両罰規定とコンプライアンス対応
はじめに
2026年1月施行の改正行政書士法では、行政書士の業務に関する制限違反に対する両罰規定が新たに導入されました。
これは、違反行為を行った行為者だけでなく、法人も責任が問われる可能性があるという重要な改正です。
これまでの慣例だからと無資格業務を引き受けて業務制限違反とならないようくれぐれもご注意ください。
改正のポイント:両罰規定の導入
- 無資格者が業務制限違反を行った場合、その法人も処罰対象となる可能性
- 「知らなかった」「任せていた」では済まされないケースが増える
- 企業の法令遵守・委託管理責任がより重くなる
中小企業にとってのリスクと対応策
| リスク | 対応策 |
|---|---|
| 無資格者や不適切な業者への依頼 | 資格確認・行政書士会所属の確認を徹底 |
| 業務範囲を超えた依頼が制限業務違反になる | 業務内容の確認・契約書で範囲を明記 |
| 社内のチェック体制不足 | 総務・法務部門での委託管理ルール整備 |
実務での注意ポイント
- ✅ 業者との契約時に「契約書」の記載内容以外のことは依頼しないよう注意する
- ✅ 外部委託先の資格・実績・所属団体を確認し、記録に残す
- ✅ 社内で「申請書類作成に関するガイドライン」を作成・共有する
まとめ
両罰規定の導入は、企業の責任意識を高める改正です。
「これまでやっていたことだから大丈夫」ではなく、「士業の制限業務」に該当しないかを明確にすることが、企業のコンプライアンス対応として不可欠になります。
これで全6回の特集は完結です。制度改正を“現場の力”に変えるために、ぜひ社内でも共有・活用してください。

