第2回:情報セキュリティと外国人従業員管理のポイント
― 個人情報保護やアクセス権限管理をわかりやすく紹介
はじめに
外国人従業員を雇用する中小企業では、個人情報の取り扱いや社内システムの管理に不安を感じる場面も少なくありません。特に、言語や文化の違いがある中で「情報の守り方」をどう伝えるかは重要な課題です。
今回は、ITの知識をベースに、情報セキュリティの基本と外国人従業員管理のポイントを行政書士の視点から解説します。
1. 情報セキュリティの基本を押さえる
- 個人情報の保護:在留カード番号、パスポート情報、給与明細などは「特定個人情報」に該当する場合もあり、適切な管理が必要です。
- 保存場所の明確化:紙で保管する場合は施錠、デジタル管理ならパスワード・アクセス制限を設定。クラウド利用時は信頼性の高いサービスを選定。
- 持ち出し・共有のルール化:USBやメール添付による情報漏洩リスクを防ぐため、社内ルールを明文化し、外国人従業員にもわかりやすく説明。
2. アクセス権限管理のポイント
- 業務に応じた権限設定:勤怠管理や給与情報など、従業員が閲覧・編集できる範囲を明確に。
- 多言語対応のシステム選定:英語・やさしい日本語対応のクラウドサービスを選ぶことで、外国人従業員も安心して利用可能。
- ログ管理とトラブル対応:誰がいつどの情報にアクセスしたかを記録することで、万が一のトラブルにも対応しやすくなる。
3. 外国人従業員へのセキュリティ教育
- やさしい日本語+図解で説明:専門用語を避け、図やイラストを使って「情報の守り方」を伝える。
- 定期的な確認とフォロー:入社時だけでなく、定期的にセキュリティルールを確認し、理解度をチェック。
- 文化的背景への配慮:情報共有の感覚は国によって異なるため、「なぜ守る必要があるのか」を丁寧に説明することが大切。
4. 行政書士+IT知識の強み
- 制度面の安心感:個人情報保護法や労働関連法令に基づいた運用をサポート。
- IT視点での実務提案:中小企業でも導入しやすいセキュリティ対策を、現場目線で提案。
- 外国人従業員への伝え方支援:やさしい日本語・多言語対応の資料作成や説明支援も可能。
まとめ
情報セキュリティは「守るだけ」でなく、「伝えること」も重要です。外国人従業員が安心して働ける環境づくりには、制度の理解とITの活用が欠かせません。行政書士としての制度知識とITの視点を活かし、現場に寄り添ったセキュリティ支援を行うことで、中小企業の外国人雇用をサポートします。
次回は「業務効率化ツールで支える多国籍チーム」をテーマに、翻訳・勤怠・契約管理などのITツール活用事例をご紹介します。

