「整理・整頓と言っているのに、なかなか定着しない」
「安全靴を履く、指差称呼をするといったルールが、どこか他人事のように捉えられている」
外国人材を雇用する製造現場の社長から、最も多く寄せられる悩みの一つがこれです。
こんにちは。山本です。
私はトヨタ系企業の現場で35年間、「安全は全てに優先する」という文化の中で育ってきました。同時に、日本語教師として外国人への言葉の伝え方も学んできました。
その経験から断言できるのは、「5Sや安全は、日本語の知識だけでは教えられない」ということです。
「言葉」は知っていても、「意味」が伝わっていない
多くの現場では、外国人スタッフに「整理・整頓をしましょう」と教えます。彼らは言葉の意味(掃除をすること)は理解します。しかし、「なぜ、それが必要なのか」という日本独自の背景までは理解できていないことが多いのです。
彼らの母国では、掃除は清掃員がやる仕事かもしれません。あるいは、多少散らかっていても作業ができれば問題ないという文化かもしれません。
その背景を無視して「ルールだから守れ」と押し付けても、彼らが心から納得し、自発的に動くことはありません。
エンジニア×日本語教師が提案する「納得感」のある研修
私の研修は、一般的な日本語学校の授業とは全く異なります。
- 「5S=生産性向上」をエンジニアの視点で説く:「整理とは、いらないものを捨てること」という表面的な教え方はしません。「必要なものを探す10秒が、1日でどれだけの損失(ムダ)になるか」を、生産技術の数値的な視点で見せます。
- 「安全=家族への責任」を日本語で伝える: 指差称呼や安全確認は、単なるルールではなく「自分の命と、母国で待つ家族を守るための儀式」であることを、彼らの心に響く言葉で伝えます。
- 現場ですぐに使う「動詞」に特化:「置く」「並べる」「確認する」「報告する」。現場で命に直結する動詞に絞り、徹底的にロールプレイングを行います。
「定着」の鍵は、日本人社員との共通言語化
外国人スタッフだけを教育しても、現場は変わりません。
私の研修では、受け入れ側の日本人社員の方々にも、「外国人にも伝わる、指示の出し方のコツ(やさしい日本語)」を同時にお伝えしています。
お互いが共通の価値観(5S・安全)を、共通のシンプルな言葉で語り合えるようになったとき、現場の空気は劇的に変わります。
【まとめ】
35年間の現場経験があるからこそ、私は「安全ルールの徹底」がいかに難しいか、そしていかに大切かを知っています。
日本語を教えるのは手段です。真の目的は、外国人スタッフが日本の現場文化を理解し、一人のプロフェッショナルとして、事故なく、誇りを持って働ける環境を作ることです。
御社の現場に、言葉の壁を超えた「安全文化」を根付かせてみませんか?

