【Q&A特集】Q14:卒業証明書や卒業見込み証明書は原本が必要ですか。

証明書は原本?コピー?入管申請における「エビデンス」の取り扱い規約

外国人雇用を推進する中小企業の経営者・人事担当者の皆様、こんにちは。行政書士の山本です。

入管手続きにおいては、学歴という重要な要件を証明する資料には厳格な「真正性」が求められます。

今回は、公式Q&A(Q14)に基づき、卒業証明書等の提出における「原本」と「写し(コピー)」の境界線について解説します 。


1. 結論:再発行可能なものは「原本提出」が原則

結論から申し上げますと、卒業証明書や卒業見込み証明書は「原本」を提出する必要があります 。一方、一度しか発行されない卒業証書については、例外的な運用が認められています


2. 根拠:資料の「再発行可能性」による分類

入管庁の回答(A14)に基づき、提出資料の扱いを以下の2つのカテゴリーに構造化します。

① 原本提出が必要なもの(再発行が可能な証明書)

  • 対象: 卒業証明書、卒業見込み証明書、成績証明書など 。
  • 理由: 大学の窓口等で何度でも交付を受けることが可能な資料については、その真正性を担保するため、コピーではなく発行された「原本」そのものを提出するルールとなっています 。

② 写し(コピー)で差し支えないもの(再発行が不可能なもの)

  • 対象: 卒業証書(学位記)、表彰状など 。
  • 理由: 卒業証書は通常、人生で一度しか発行されない「一点物」です。これを回収してしまうと本人に重大な不利益が生じるため、写しの提出が認められています 。
  • 注意点: 窓口で申請する際は、写しを提出するのと同時に、審査官が「原本」をその場で確認(突合)します。必ず原本を持参することを忘れないでください 。

3. 具体例:提出フローにおける「物理資産」の管理

実務において、これらの書類を回収・管理する際は以下の点に留意が必要です。

  • リードタイムの考慮: 海外の大学を卒業している場合、原本の取り寄せには国際郵便の時間がかかります。申請直前に「原本が必要だった」と気づくことは、プロジェクト全体の遅延(入社日の後ろ倒し)を招くクリティカルなミスとなります。
  • 原本の返却: 万が一、原本提出が必須の資料を後で返却してほしい場合は、申請時に「原本還付」の手続き(原本とコピーを両方出し、確認後に原本を返してもらう)が必要になることがあります。

【多角的なアドバイス】

  • コンプライアンス(行政書士)視点: 近年、学位記の偽造技術が高度化しており、入管の審査も慎重になっています。「原本提示」が求められるのは、偽造の有無を物理的な質感や印影で確認するためです。本人から預かる際も、破損や汚れがないか事前に検品(物理チェック)を行いましょう。
  • コスト・労務(社労士)視点: 証明書の発行には手数料(数百円〜数千円)がかかります。これを企業が負担するのか本人負担とするのか、あらかじめ社内規程で整理しておくことで、採用時の細かなトラブル(不快感)を回避できます。
  • 効率化・DX(エンジニア)視点:  「在留申請オンラインシステム」を利用する場合、これらの証明書はスキャンしたPDFデータとしてアップロードします 。ただし、オンライン申請であっても、審査の過程で「原本を郵送せよ」という指示が出る場合があるため、原本をいつでも提示できる状態で手元に管理(アーカイブ)しておくことが重要です。

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次回予告

次回は、「Q15:留学生が大学等を卒業した後、就職までの期間に資格外活動としてアルバイトをさせることはできますか。」について詳しく解説します。

生成AI活用の提案

本人から送られてきた証明書のスキャンデータをAI(OCR機能)で解析し、卒業日や学位の種類を自動抽出して申請書へ転記するワークフローを構築しましょう。手入力による「タイポ(誤字)」を排除することで、書類の整合性チェックに要する工数を大幅に削減できます。

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見よう見まねでまずはホームページを立ち上げてみました。これから少しずつレベルアップしていくと思うので、長い目で見てやってください。

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