9月卒業・4月入社までの「待機期間」:帰国せずに日本に留まる方法は?
外国人雇用を推進する中小企業の皆様、こんにちは。行政書士の山本です。
今回は、公式Q&A(Q16)に基づき、9月に大学を卒業してから4月の入社まで、留学生が日本で適法に待機するための「特定活動」という仕組みについて解説します 。
1. 結論:帰国の必要なし。「特定活動」への変更で待機可能
結論から申し上げますと、卒業から入社まで期間が空く場合でも、必ずしも一度帰国する必要はありません 。
「内定待機者」を対象とした「特定活動」という在留資格へ変更することで、日本に在留したまま入社日を待つことが認められています 。
2. 根拠:内定待機者のための「セーフティネット」
入管庁の回答に基づき、この制度の仕組みを論理的に構造化します 。
① 対象となるケース
- 日本の大学や専門学校を9月に卒業し、翌年4月の入社が確定している場合など、卒業から入社までに空白期間(概ね1年以内かつ卒業後180日以内)がある方が対象です 。
② 在留資格の切り替え
- 卒業後、そのまま「留学」の資格で居続けることはできません(前回のQ15で解説した通り、学業という目的が終了するためです) 。
- そのため、入社までの「待機」を目的とした「特定活動」への在留資格変更許可申請を行います 。
③ アルバイトの継続
- この「特定活動(内定待機)」に変更した上で、別途「資格外活動許可」を取得すれば、入社までの間も週28時間以内のアルバイトが可能です。これにより、本人は生活費を確保しながら入社に備えることができます。
3. 具体例:9月卒業者の「4月稼働」に向けたロードマップ
実務において、この待機期間は「内定辞退」のリスクが高まる不安定なフェーズです。
- 9月上旬: 大学卒業。
- 9月中旬: 「特定活動(内定待機)」への変更申請。
- 企業側から「内定通知書」や「入社時期を明記した誓約書」などのエビデンスを提供します。
- 10月〜2月: 日本国内で待機(アルバイトや入社前研修など)。
- 2月〜3月: 本番の就労資格(技術・人文知識・国際業務など)への変更申請。
- 4月1日: 入社・業務開始。
このように、2段階の申請(留学 → 特定活動 → 就労資格)という「多段ステップ」を踏むことで、優秀な人材を日本に留めたまま確実に確保できます。
【多角的なアドバイス】
- コンプライアンス(行政書士)視点: 「特定活動」への変更には、企業側が「本人と定期的に連絡を取り、内定を取り消さないこと」を誓約する書類が求められます。また、万が一内定を取り消した場合は、速やかに入管へ報告する義務があることを念頭に置いてください。
- コスト・労務(社労士・FP)視点: 待機期間中の社会保険や税金の扱いに注意が必要です。まだ「社員」ではないため、本人が国民健康保険や国民年金に加入し続ける必要があります。この期間の社会保険料の負担について本人が不安を感じないよう、FP的な視点でアドバイスを行うことが、エンゲージメント維持に繋がります。
- 効率化・DX(エンジニア)視点: 「9月卒業」のフラグが立った内定者に対し、自動的に「特定活動申請の案内パック」を送付する仕組みを構築しましょう。申請に必要な「内定証明書」などのテンプレートをクラウド上で共有(同期)しておくことで、直前の「バタバタ」を排除し、スムーズな移行(マイグレーション)を実現できます。
関連キーワード
9月卒業、内定待機、特定活動(告示外)、資格外活動許可、入社前待機、在留資格変更
次回予告
次回は、「Q17:就労資格への変更許可が下りていませんが、その前に入社式があります。出席しても良いですか。」について解説します。
生成AI活用の提案
内定待機者向けの「入社までのTODOリスト」をAIでパーソナライズしましょう。「卒業式の翌日にやるべきこと」「特定活動の申請に必要な書類」などをステップバイステップで提示するガイドを自動生成することで、本人の不安を解消し、スムーズな手続きを支援できます。

