おひとり様の終活ってどうすればいいの? その5


それではこのテーマのまとめです。
おひとり様の終活は、早め早めに動いておくことが必要です。
いつ、身動きができなくなるかは分からないのですから。

大きなけがや病気に急になることもあるし、そうでなくても年とともにできることは減っていくものです。そこで役に立つのが「見守り契約」や「身元引受人契約」について考えてみましょう。
契約と名の付く通り、自分がいざとなった時にしてもらいたいことをあらかじめ決めて依頼する契約を結ぶのです。 契約といっても有償だとは限りません。無償で頼める相手がいたとしても契約書に記載しておくほうがいざというときにその相手も動きやすいのでぜひきちんと締結することをお勧めします。

財産の管理については「財産管理等委任契約」がいいでしょう。「民事信託」という方法もあります。
銀行などの金融機関は本人以外の人が繰り返しお金を下ろしたりしに来るとたとえそれが家族でも疑います。まして、それが友人だったら下手すると大騒ぎになってしまうかもしれません。金融機関もそれが仕事なのでしょうがないことなのです。
だから、きちんとした契約書があることは絶対に必要なのです。

認知症になってしまうとさらに厄介です。自分の言うことも聞いてもらえなくなるし、当然法的に正しい方法以外でお願いした相手もは何もできなくなるかもしれません。そんなときのために「任意後見契約」も考えてみてください。そうすれば、終末期にどうしてほしいかもお願いしておくことができます。「尊厳死宣言書」というものを作成することもできます。

さらに、死後については「死後事務委任契約」を結ぶことができるし、遺産については「遺言書」を作成することで、自分の思う相手に渡すことができるのです。

注意しなければならないのは法的に認められる形式であることです。中途半端な書類となって無効とされてしまわないために、ぜひ専門家に相談して進めましょう。