今回は、”1. 財産管理”について、もっと詳しく説明します。
財産管理は、おひとりさまにとって老後の準備の中でも特に重要です。具体的な手順や考慮すべき点を以下に詳述します。
定期的な取引状況の確認 おひとりさまは、金融機関との取引状況を定期的に確認することが欠かせません。預金や投資、保険契約の状況を把握し、必要に応じて見直しを行うことで、資産の健全な運用が可能になります。特にインターネットバンキングの利用や定期的な口座状況のチェックを習慣づけることが重要です。
遺言書の作成 遺言書は、自分の財産をどのように分配するかを事前に明確にしておくための重要な手段です。法定相続人となるのは親、子、祖父母、兄弟までです。その範囲内の親族がいない場合は遺言書がないと遺産はすべて国のものになってしまします。 遺言書を作成することで、自分の好きな相手、団体に贈与することができるのです。後で無効となってしまわないようにするためには、公証役場で公証遺言を作成する方法などを利用するとよいでしょう。プロの行政書士や弁護士に相談することで、確実に準備を行うことができます。
ライフプランニング ライフプランニングは、自分の人生計画を立て、それに基づいて資産をどう管理・活用するかを考えるプロセスです。将来の医療費や介護費用、住宅費、日常生活費などを見積もり、それに基づいて貯蓄や投資の計画を立てることが求められます。
認知症のリスクを考慮 将来認知症になる可能性を考慮することも重要です。認知症になった場合に備えて、事前に信頼できる人に財産管理を任せる方法を検討しましょう。家族信託や任意後見制度の利用が有力な手段となります。
家族信託の活用 家族信託は、信頼できる家族に自分の財産を信託し、管理・運用を任せる制度です。これにより、認知症になった後も安全に財産を管理・運用できる仕組みが整います。家族との信頼関係が大前提となるため、慎重に話し合いを進めることが必要です。
任意後見制度の利用 任意後見制度とは、本人が十分に判断能力を持っているうちに、将来の財産管理や生活支援を依頼する人(任意後見人)をあらかじめ指名して契約を結ぶ制度です。この制度を利用することで、本人の意思が反映された支援を受けることが可能になります。
以上のように、財産管理をしっかりと行い、自分の資産を適切に守ることがおひとりさまの老後の安心につながります。行政書士や弁護士と連携しながら、自分に合った対策を進めていくことが望ましいでしょう。