第1回:タイの免許はそのまま使える?日本で運転するには何が必要?
本シリーズでは、「タイの免許→日本の免許」への切替方法を3回に分けてご紹介していきます。
今回はその第1回、基本的な条件や準備についてやさしく解説します。
「タイで取得した免許証、日本でも運転できますか?」
【結論:できません】
これは、タイ人のお客様からよく寄せられるご質問のひとつです。仕事や生活の場として日本を選び、「運転が必要になった」という方も多いのではないでしょうか。
まず結論からお伝えしますと、タイの運転免許証だけでは日本では運転できません
なぜなら、タイは国際免許証制度に加盟していないので、国際運転免許証を発行できないためです。
したがって、日本で運転するには「外国免許切替」手続きが必要になります。
今回は、タイの免許で日本を運転するために必要な基本情報を、4つの視点から丁寧にご紹介します。
1. タイと日本の交通ルールの違い
タイと日本はどちらも左側通行・右ハンドルという点では共通していますが、以下のような違いがあります:
- 一時停止や右折ルールの解釈が異なる
- シートベルト・チャイルドシートの着用義務の厳しさ
- 飲酒運転に対する取り締まりの厳格さ
そのため、日本の交通ルールをしっかり理解したうえで運転を始めることが大切です。たとえ母国での運転経験が長くても、日本での運転には“初心者”としての学びが必要と言えるでしょう。
2. 外国免許の切替に必要な条件とは?
日本で外国の免許を切り替えるためには、次の4つの条件を満たす必要があります:
- 有効なタイの運転免許証を持っていること
- その免許をタイで取得した後、3か月以上タイに滞在していたことが証明できること
- 免許の日本語翻訳文を提出できること(JAFまたは大使館で取得)
- パスポート、在留カード、住民票などの本人確認書類があること
特に「3か月以上の滞在歴」は、日本の警察が重視するポイントです。パスポートにあるタイ出国・入国のスタンプなどで証明することになります。
3. 切替申請に必要な書類一覧
手続きの際に提出が求められる主な書類は以下の通りです:
- 有効なタイの運転免許証(原本)
- 日本語翻訳文(JAF または タイ大使館発行)
- パスポート(入出国スタンプの確認用)
- 在留カード
- 住民票(本籍または国籍記載のもの)
- 顔写真(サイズと背景に指定あり)
- 手数料(証紙で支払い)
このほか、場合によっては補足書類を求められることもあります。事前に確認しておくと安心です。
4. 「なぜ翻訳文が必要なの?」という素朴な疑問
翻訳文は、タイ語の免許証に記載された「名前」「取得日」「有効期限」などを日本の窓口担当者が正確に確認するための資料です。
特に、免許の種類や有効性をチェックする場面では、翻訳文の正確性が重要になります。そのため、信頼できる機関(JAFまたは大使館)で取得した翻訳文しか受け付けてもらえません。
また、翻訳取得には数日〜1週間前後かかることもあるため、余裕を持った準備が肝心です。
📌 まとめ
- タイの免許だけでは日本では運転できない
- 切替には「滞在歴の証明」「翻訳文」「本人確認書類」などが必要
- 翻訳文は正規の機関で取得しよう
- 日本の交通ルールの違いもしっかり意識しよう
次回予告:予約はどうやって取る?代理人でもできる?【実践編】
次回のブログでは、愛知県での外国免許切替の予約方法・当日の流れ・必要書類の詳しい確認について、行政書士の視点から解説します。
「日本語に自信がない」「予約が取りづらい」といった不安にもお応えしますので、ぜひご期待ください。