【Q&A特集】Q37:派遣会社が「技・人・国」の外国人を雇用する際の注意点。不法就労助長罪のリスクとは?

「技術・人文知識・国際業務(技・人・国)」の在留資格を持つ外国人を派遣社員として雇用し、他社へ派遣する形態は珍しくありません。しかし、この形態での就労には、派遣元・派遣先双方が負うべき重い責任と、審査上の厳しいルールが存在します。特に、令和8年3月から運用が変更される点も含め、重要なポイントを解説します。


Q:派遣会社において「技術・人文知識・国際業務」の在留資格をもって在留する外国人を雇用し、派遣先で外国人が業務に従事する予定なのですが、その際に気を付けるべき点を教えてください。

A:まず、前提となる点ですが、申請時点で派遣先が確定しており、派遣先での業務内容が在留資格「技術・人文知識・国際業務」の活動内容に該当する必要があります。(業務内容が在留資格の活動内容に該当するか否かの確認方法については、Q3をご参照ください。)

なお、派遣先が複数ある場合、全ての派遣先において当該在留資格の活動に該当する業務内容である必要があります。

また、派遣先において在留資格「技術・人文知識・国際業務」の活動内容に該当しない業務に従事させた場合には、派遣会社(派遣元)及び派遣先のいずれについても、事業活動に関して不法就労活動をさせたものとして不法就労助長罪(三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金又はその併科。入管法第七十三条の二第一項第一号参照。)に該当し得ることとなります。

そのため、雇用する外国人の在留資格で認められる活動内容の範囲についてよく確認し、派遣先に対しても適切に説明等願います。,


解説:派遣形態での就労に求められる「透明性」と「適合性」

派遣形態で「技・人・国」の在留資格を申請する場合、通常の直接雇用よりも詳細な確認が行われます。

  1. 申請時に「派遣先」が確定していること 以前は派遣先が流動的な場合もありましたが、令和8年3月9日の申請分から、申請時点で派遣先が確定していない場合は、許可を受けることができなくなります。必ず派遣先を決定した上で申請する必要があります。
  2. すべての派遣先での業務が「専門職」であること 派遣先が複数ある場合、そのすべての現場において「技・人・国」の範囲内(翻訳・通訳、エンジニア、デザイナーなど)の業務を行わなければなりません,。一部でも単純作業などが含まれる場合は認められません。
  3. 不法就労助長罪のリスク(派遣元・派遣先の連帯責任) もし派遣先で在留資格の範囲外の業務(例:工場のライン作業や飲食店の接客など)に従事させた場合、派遣元だけでなく派遣先の企業も「不法就労助長罪」に問われる可能性があります。これには「3年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金」という厳しい罰則が定められています。

行政書士からのアドバイス:令和8年3月からの新ルールに備えて

令和8年3月以降、派遣形態での申請には新たな書類やルールが追加されます。以下の点に注意してください。

  • 提出書類の追加: 派遣元・派遣先それぞれが署名する「申請人の派遣労働に関する誓約書」の提出が必要になります。これは、業務内容が在留資格の範囲内であることを双方が理解し、虚偽がないことを誓うものです。
  • 在留期間の決定: 在留期間は、派遣契約期間に応じて決定されるようになります。
  • 実地調査の可能性: 審査の際、入管局が派遣会社だけでなく、派遣先に対しても直接、業務内容や活動状況の確認を行う場合があります。

派遣先企業への適切な説明や、契約書の整備は、不法就労という大きなリスクから自社を守るために不可欠です。

「この派遣スキームでビザは通る?」「派遣先が変わる予定があるけれど、どうすればいい?」といったご不安があれば、制度変更に詳しい当事務所までぜひご相談ください。


参考資料:

  • 出入国在留管理庁「就労資格の在留諸申請に関連してお問い合わせの多い事項について(Q&A)」Q37
  • 出入国在留管理庁「在留資格『技術・人文知識・国際業務』をもって派遣形態で就労する場合の取扱いについて」(令和8年2月)

Follow me!

Katsについて

見よう見まねでまずはホームページを立ち上げてみました。これから少しずつレベルアップしていくと思うので、長い目で見てやってください。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

PAGE TOP