情報基準日:2026年8月20日
本連載は、出入国在留管理庁などの公表資料を基にした一般的な解説です。制度には経過措置があり、個別の申請結果を保証するものではありません。実際の申請時には、必ず最新の法令・公表資料をご確認ください。
連載構成
- 第1回 「また変わった」の正体―外国人をめぐる制度改正の全体像
- 第2回 在留カードとマイナンバーカードが一体化―「特定在留カード」とは
- 第3回 在留手続の手数料が大幅改定へ―確定事項と未確定事項を整理
- 第4回 永住者も無関係ではない―公租公課と在留資格取消しの新ルール
- 第5回 技能実習から育成就労へ―2027年4月から外国人雇用はどう変わるか
- 第6回 企業と外国人本人が今から準備すべきこと―実務チェックリスト
第2回 在留カードとマイナンバーカードが一体化―「特定在留カード」とは
2026年6月14日から運用開始
2026年6月14日から、在留カードとマイナンバーカードの機能を一枚にまとめた「特定在留カード」の運用が始まりました。
これまで中長期在留者は、在留カードとマイナンバーカードを別々に所持するのが一般的でした。特定在留カードを取得すると、一枚のカードで両方の機能を利用できます。
全員がすぐ切り替えなければならないのか
重要なのは、特定在留カードの取得は一律強制ではないという点です。
従来型の在留カードを選ぶこともできます。また、現在持っている在留カードが2026年6月14日に突然無効になるわけでもありません。
特定在留カードを希望する人は、在留資格変更、在留期間更新、在留カードの有効期間更新、記載事項変更、再交付など、所定の機会に一体化を申請します。手続によって申請先が地方出入国在留管理官署または市区町村となるため、事前確認が必要です。
メリット
主なメリットは、カードを二枚持ち歩く必要がなくなることです。
マイナンバーカードの電子証明書機能を利用できれば、行政手続、マイナ保険証、本人確認などにも使えます。住所変更などの際に、手続の一体化が期待できる点も利点です。
注意点1 カードの有効期限と電子証明書
在留期間に期限のある外国人の場合、マイナンバーカード側の電子証明書の有効期限も在留期間との関係で管理されます。
在留期間更新を申請していても、審査中に元の在留期限を迎えると、電子証明書が使えなくなることがあります。在留期間には入管法上の特例期間があっても、電子証明書が自動的に同じ期間だけ延長されるとは限りません。
更新審査が在留期限をまたぐ可能性がある場合は、在留期限前に市区町村で電子証明書の有効期間延長が必要か確認しましょう。
注意点2 紛失時の影響が大きくなる
一枚にまとめることは便利ですが、紛失すると、在留カードとマイナンバーカードの両機能を同時に失うことになります。
在留カードを紛失した場合には、警察への届出と、原則として紛失を知った日から14日以内の再交付申請が必要です。マイナンバー機能についても、悪用防止のため速やかに一時停止の手続を行う必要があります。
注意点3 新様式の顔写真
2026年6月14日以降に交付される在留カードでは、原則として1歳以上の方に顔写真の提出が必要となりました。子どもの手続では、旧制度と必要書類が異なる場合があるため注意が必要です。
参考:住居地以外の在留カード記載事項の変更届出(出入国在留管理庁)
企業が確認するときの注意
外国人を雇用する会社は、採用時や更新時に在留資格、在留期間、就労制限の有無などを確認します。
特定在留カードでは、券面だけでなくICチップや専用アプリによる確認がより重要になります。ただし、マイナンバーは利用目的が法令で限定された情報です。在留資格確認を理由に、会社が必要のないマイナンバー情報まで取得・保管してよいわけではありません。
在留確認用の写しとマイナンバー関係書類は、利用目的やアクセス権限を分けて管理することが大切です。
今回のまとめ
特定在留カードは便利な選択肢ですが、取得は一律義務ではありません。電子証明書の期限、紛失時の対応、企業による個人番号の取扱いには注意が必要です。
次回は、家計や会社の予算にも大きく影響し得る在留手続の手数料改定を取り上げます。

