~AIを「使う側」になるための第一歩~
前回の記事では、なぜ今、中小企業にAIが必要なのかについてお話ししました。
人手不足や業務の複雑化が進む中で、AIは限られた人員で成果を上げるための有力な選択肢になりつつあります。
しかし、
- 「そもそもChatGPTとは何なのか?」
- 「何ができて、何ができないのか?」
- 「本当に仕事で使えるのか?」
という疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
今回は、生成AIの代表格であるChatGPTについて、中小企業の経営者や担当者の方に知っておいていただきたい基本知識を解説します。
ChatGPTとは何か
ChatGPTは、アメリカのOpenAI社が開発した生成AIサービスです。
利用者が質問や依頼を入力すると、人と会話するような自然な文章で回答してくれます。
例えば、
- メールを書いてほしい
- 会議議事録をまとめてほしい
- ブログ記事の構成を考えてほしい
- 契約書の内容を分かりやすく説明してほしい
といった依頼に対応できます。
従来の検索エンジンが「情報を探す道具」だとすると、
ChatGPTは
「情報を整理し、文章としてまとめてくれる道具」
と言えるでしょう。
ChatGPTは検索エンジンではない
初めて使う方がよく誤解するのが、
「Google検索の代わり」
という認識です。
もちろん情報収集にも使えますが、本質的には少し異なります。
例えば、
Google検索
「外国人雇用 注意点」
と検索すると、多数のWebサイトが表示されます。
その中から必要な情報を読み比べる必要があります。
ChatGPT
「製造業が外国人を雇用する際の注意点を5つ教えてください」
と入力すると、内容を整理した形で回答してくれます。
つまり、
探す作業を手伝うのではなく、考える作業を手伝う
のがChatGPTの特徴です。
ChatGPTでできること
中小企業で活用しやすい例を挙げると、次のようなものがあります。
メール作成
取引先へのメールや案内文の下書きを作成できます。
会議議事録の要約
会議メモを入力すると、要点を整理してまとめてくれます。
社内文書作成
- マニュアル
- 業務手順書
- 社内通知
などのたたき台を作ることができます。
ブログやホームページ原稿作成
企業紹介や採用ページの原稿作成にも役立ちます。
アイデア出し
- 新サービスの企画
- 採用施策
- 社内改善案
などを考える際の壁打ち相手として利用できます。
ChatGPTでできないこと
一方で、万能ではありません。
間違った回答をすることがある
もっとも注意すべき点です。
AIは自信満々に誤った情報を回答することがあります。
専門用語では「ハルシネーション(幻覚)」と呼ばれます。
そのため、
- 法令
- 許認可
- 税務
- 労務
などの重要事項は必ず確認が必要です。
最終判断はできない
AIは提案はできますが、
「どの選択肢を採用するか」
という経営判断はできません。
あくまで意思決定を支援するツールです。
会社固有の事情は知らない
会社の状況や社内ルールまでは理解していません。
そのため、AIの回答をそのまま使うのではなく、自社に合わせて修正する必要があります。
無料版と有料版の違い
ChatGPTには無料版と有料版があります。
2026年現在、中小企業で業務利用するのであれば、有料版の利用をおすすめします。
理由は、
- 回答品質が高い
- ファイル分析ができる
- 文章作成能力が高い
- 処理速度が速い
といったメリットがあるためです。
特にChatGPTは無料版では最新のWeb情報にアクセスできないという問題があります。そのため、月額3000円のPlusプランに申し込むことを強くお勧めします。Plusプランでしたら後半に紹介するAIエージェントアプリであるCodexも実用的に使用できます。(こちらも無料版でも使用できますが、使用量がかなり限られるため有料版をお勧めします)
どうしても有料版に抵抗のある方は、ChatGPTだけでなくGemini、Claudeなど、他社の生成AIも使い分けをすることでより効果を実感できると思います。
※2026/6/27現在は、新規申し込みなら1か月間は0円ですので、まずは1か月お試しください。
実際に触ってみることで、自社業務への活用イメージが湧いてきます。
//行政書士業務との相性も良い
行政書士の業務では、
- 文書作成
- 情報整理
- 調査
- 顧客対応
が多くを占めます。
そのため、生成AIとの相性は非常に良いと感じています。私は行政書士業務に生成AIを積極的に活用することで、
お客様へのアウトプット品質の向上とスピードアップ、料金の低減に取り組みたいと考えています。
例えば、
- セミナー資料の構成検討
- ブログ記事の下書き
- 顧客向け説明文の作成
- やさしい日本語への書き換え
などで活用できます。
特に外国人雇用の分野では、
- 多言語対応
- 翻訳支援
- 教材作成
といった場面で活躍が期待できます。
AIに仕事を奪われるのか?
よく聞かれる質問です。
私自身は、
「AIを使う人が、使わない人に代わる」
可能性はあると考えています。
一方で、
AIそのものが会社経営や顧客対応を完全に代替するとは考えていません。
特に中小企業では、
- 信頼関係
- 現場感覚
- 顧客とのコミュニケーション
が非常に重要です。
これらは依然として人間の役割です。
AIは競争相手ではなく、仕事を支えるパートナーとして考えるのが適切でしょう。
まとめ
ChatGPTは、
- 情報整理
- 文書作成
- アイデア出し
- 業務効率化
を支援する生成AIです。
一方で、
- 誤った情報を出すことがある
- 最終判断はできない
- 内容の確認は必要
という限界もあります。
重要なのは、
「AIに任せる」のではなく、「AIを使いこなす」
という考え方です。
まずは身近な業務から試してみることで、自社に合った活用方法が見えてくるでしょう。
次回予告
第3回は
「社長の仕事をAIで効率化する」
をテーマに、
- メール作成
- 会議準備
- 企画書作成
- 情報収集
など、経営者自身がすぐに実践できるAI活用法をご紹介します。

