第3回 在留手続の手数料が大幅改定へ―確定事項と未確定事項を整理
2026年改正で「手数料の上限」が引き上げられた
2026年5月29日に成立し、6月5日に公布された改正入管法により、在留資格変更・在留期間更新などの手数料上限が引き上げられました。
法律上の上限は、変更・更新等が10万円、永住許可が30万円です。
ここで大切なのは、これは「実際に全員が10万円または30万円を支払う」という意味ではないことです。法律は上限を定め、実際の金額はその範囲内で政令により決められます。
2026年8月20日時点の整理
2026年7月に示された政令案では、次のような改定が検討されています。
| 手続 | 現行の代表的な手数料 | 政令案で示された水準 |
| 在留資格変更・在留期間更新 | 窓口6,000円、オンライン5,500円 | 希望する在留期間等に応じ1万円~7万5,000円 |
| 永住許可 | 1万円 | 20万円 |
ただし、上表の右欄は2026年8月20日時点では政令案に基づく内容です。施行日、対象となる申請、オンライン申請の減額、例外措置などは、公布される政令と入管庁の正式案内で最終確認する必要があります。
「10月1日から必ずこの金額になる」と断定した情報には注意しましょう。
参考:在留手続等に関する手数料の改定(現行制度・出入国在留管理庁)
家族全体では負担が大きくなる可能性
在留資格の更新は、原則として一人ずつ行います。夫婦と子ども二人の四人家族であれば、四人分の手数料が発生します。
これまで数千円で済んでいた手続が数万円単位になると、家族世帯への影響は小さくありません。在留期間が短く、更新回数が多い人ほど、長期的な負担が重くなる可能性があります。
会社負担か本人負担か
外国人社員の在留資格更新に必要な法定手数料を誰が負担するかについて、会社ごとに取扱いが異なります。
企業が負担する場合は、人数と更新時期を一覧にし、予算化が必要です。本人負担とする場合も、入社後に突然伝えるのではなく、雇用条件や社内規程上の取扱いを分かりやすく説明しておくべきです。
特定技能などでは、本人に不当に費用を転嫁していないかという観点にも配慮が必要です。登録支援機関や送出機関への委託費と、国に納める法定手数料を区別して説明しましょう。
「値上げ前に急いで申請」は慎重に
手数料が上がる前に申請したいと考えるのは自然です。しかし、在留期間更新は一般に在留期限のおおむね3か月前から申請する手続であり、自由に何年も前倒しできるものではありません。
永住許可も、納税、年金、健康保険、在留年数、出国状況、収入などの要件を十分に確認せず、料金だけを理由に急ぐべきではありません。不許可になれば、その後の申請計画にも影響します。
今回のまとめ
確定しているのは、法律上の手数料上限が引き上げられ、2026年度中に新しい制度が施行されることです。一方、実際の金額や細かな適用関係については、政令と正式案内の確認が必要です。
次回は、2027年4月から始まる永住許可制度の適正化を解説します。「税金を一度払い忘れたら永住資格がすぐ取り消される」という理解が正しいのか、丁寧に整理します。

