【Q&A特集】Q31:採用直後の「現場研修(OJT)」はどこまで可能?「技術・人文知識・国際業務」の限界点

新卒採用した外国人に、まずは現場を知ってもらうために店舗や工場での研修(OJT)をさせたいと考える企業は多いでしょう。しかし、オフィスワークを前提とした「技術・人文知識・国際業務(技・人・国)」の在留資格で、現場仕事はどこまで認められるのでしょうか?入管庁の公式回答をもとに、その基準を解説します。


Q:留学生を採用後、レストラン等の店舗において接客、棚卸しなどのOJTをした後、本社業務へ配属予定です。「技術・人文知識・国際業務」への在留資格変更許可申請を行ってもらう予定ですが、採用後、1年間のOJTを行うこととしても差し支えないでしょうか。

A:採用当初のOJTについては、一般的には、業務習熟のために必要な研修として認められることとなります。他方で、OJTの期間が、採用当初に留まるようなものではなく、当該外国人の在留期間の大半を占めるような場合には、在留資格に該当する活動を行っていないこととなるため、認められません。


解説:研修なら何でもOKではない?OJTの「期間」と「目的」がカギ

「技術・人文知識・国際業務」は、あくまで専門的な知識やスキルを必要とする業務に従事するための資格です。そのため、現場での現業(接客や製造など)については慎重な判断が求められます。

  1. 「採用当初」かつ「必要最小限」が原則: 入管庁の回答によれば、業務を覚えるために必要な「採用当初の研修」であれば、一般的に認められます,。例えば、将来的に店舗管理やマーケティングを行うために、短期間現場を経験することは「業務習熟のため」とみなされます,。
  2. 「在留期間の大半」を占める研修はNG: 注意が必要なのはその期間です。研修期間が長く、「在留期間の大半」を占めるような場合は、「技・人・国」の活動範囲を超えていると判断され、許可されません。質問にある「1年間」という期間は、付与される在留期間(1年や3年など)に照らして判断されますが、長期間の現業はリスクが高いといえます。
  3. 職務内容との関連性: 「技・人・国」の資格では、主たる活動がサービス業務や製造業務になるものは認められていません。あくまで将来の専門業務に向けた「ステップ」としての研修である必要があります。

行政書士からのアドバイス:現場業務をメインにしたい場合の代替案

もし、現場での接客や店舗管理などをメイン業務として含ませたい場合は、以下の選択肢も検討すべきです。

  • 「特定活動(告示46号)」の検討: 日本の大学を卒業し、日本語能力試験N1等の高い語学力がある場合は、この資格を検討してください。この資格であれば、翻訳・通訳を兼ねた接客や店舗管理など、より幅広い業務に従事することが可能です,。
  • 不法就労のリスクを避ける: 在留資格で認められない業務を継続的に行わせた場合、企業側も「不法就労助長罪」に問われる可能性があります,。研修計画を作成する際は、その期間と内容が合理的であることを説明できるようにしておくことが重要です。

「この研修スケジュールでビザは大丈夫?」と疑問に思われたら、申請前にぜひ当事務所へご相談ください。実務実習の内容が適正かどうか、専門的な見地からアドバイスいたします。


参考資料:

  • 出入国在留管理庁「就労資格の在留諸申請に関連してお問い合わせの多い事項について(Q&A)」Q31, Q33, Q34, Q37, Q38

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