ChatGPTとCodexは何が違う?中小企業が知っておきたいAIの使い分け

― Codexで始める業務改善10のヒント【第2回】

前回は、人手不足時代の中小企業にとって、AI活用がなぜ重要なのかについてお伝えしました。

人を増やすことが簡単ではない時代だからこそ、今いる人が働きやすい仕組みを作ることが大切です。
そのためには、日々の業務の中にある「ちょっと面倒」「毎回時間がかかる」「担当者しかわからない」といった作業を少しずつ減らしていく必要があります。

この特集では、そのための手段として「Codex」に注目しています。

ただ、AIといっても種類はいろいろあります。
最近ではChatGPTを使ったことがある方も増えてきましたが、Codexについてはまだあまり知らない方も多いかもしれません。

そこで第2回では、ChatGPTとCodexの違いを、中小企業の業務改善という視点からわかりやすく整理していきます。

ChatGPTは「相談相手」として使いやすいAI

まず、ChatGPTはどのようなAIなのでしょうか。

ChatGPTは、文章を作ったり、考えを整理したり、アイデアを出したりすることが得意なAIです。
人に話しかけるように質問すると、それに対して文章で答えてくれます。

たとえば、中小企業では次のような使い方が考えられます。

・社内向けのお知らせ文を作る
・お客様へのメール文を整える
・求人票の文章を考える
・作業手順書のたたき台を作る
・外国人スタッフ向けに、やさしい日本語へ言い換える
・会議の議事録を整理する
・業務改善のアイデアを出す
・クレーム対応文の表現を整える
・補助金や制度の概要を調べる前の論点整理をする

このように、ChatGPTは「考える」「まとめる」「書く」「言い換える」といった作業を助けてくれます。

たとえば、現場で使っている作業手順を箇条書きで入力し、
「新人にもわかるようにマニュアル風に整理してください」
と依頼すれば、読みやすい文章に整えてくれます。

また、外国人スタッフ向けに、
「この文章をやさしい日本語にしてください」
「ベトナム人スタッフにも伝わりやすい説明にしてください」
といった使い方もできます。

つまり、ChatGPTは、中小企業にとって「相談できる文章係」「たたき台を作ってくれる補助者」のような存在です。

Codexは「仕組みづくり」を手伝うAI

一方で、Codexは少し役割が違います。

Codexは、プログラムや業務ツールづくりを手伝うAIです。
難しい言い方をすれば、コードを書くことを支援するAIですが、中小企業の実務目線では「小さな業務改善ツールを作るためのAI」と考えるとわかりやすいでしょう。

たとえば、次のようなことに活用できます。

・Excelのデータを自動で整理する
・CSVファイルを別の形式に変換する
・請求書や注文書のファイル名をルールに沿って変更する
・フォルダ内のPDFを分類しやすくする
・簡単な入力フォームを作る
・作業チェックリストを画面で入力できるようにする
・在留期限や契約更新日を管理する表を作る
・日報や点検記録を集計するツールを作る
・毎月繰り返す集計作業を自動化する
・自社専用の簡単な管理アプリを作る

ChatGPTが「文章や考えを整えるAI」だとすれば、Codexは「実際に動く仕組みを作るAI」といえます。

たとえば、毎月Excelで売上や作業実績を集計している会社があるとします。
担当者が毎回、同じようにコピーして、並べ替えて、合計して、グラフを作っている場合、その作業にはかなりの時間がかかります。

このような場合にCodexを使うと、一定のルールに沿ってデータを読み込み、自動で集計し、必要な形に整えるツールを作れる可能性があります。

もちろん、すべての業務が簡単に自動化できるわけではありません。
しかし、毎回同じ手順で行っている作業ほど、Codexによる改善の対象になりやすいといえます。

ChatGPTとCodexの違いを一言でいうと

ChatGPTとCodexの違いを一言で表すなら、次のようになります。

ChatGPTは、考えたり、文章を作ったり、説明したりするAI。
Codexは、実際に動くツールや仕組みを作るためのAI。

もう少し中小企業の業務に近づけて表現すると、

ChatGPTは「相談するAI」。
Codexは「作業を仕組み化するAI」。

このように考えるとわかりやすいと思います。

たとえば、作業手順書を作りたい場合を考えてみましょう。

まずChatGPTに、現場の作業内容を整理してもらいます。
「この作業を新人向けの手順書にしてください」
「外国人スタッフにもわかるように、やさしい日本語にしてください」
という使い方です。

一方でCodexは、その手順書に基づいて、
「作業完了をチェックできる入力フォームを作る」
「点検結果を記録できる簡単なツールを作る」
「入力内容を一覧表にまとめる」
といった仕組みづくりに向いています。

つまり、ChatGPTとCodexは、どちらか一方だけを使うものではありません。
それぞれの得意分野を理解して、組み合わせて使うことが大切です。

中小企業では「文章化」と「仕組み化」の両方が必要

中小企業の業務改善では、まず仕事を見える化することが大切です。

たとえば、次のような状態になっていないでしょうか。

・作業手順がベテラン社員の頭の中にしかない
・新人教育が口頭説明だけになっている
・外国人スタッフへの説明が担当者任せになっている
・書類の保存場所やファイル名のルールが人によって違う
・Excel管理表の使い方が担当者しかわからない
・確認漏れが起きても、再発防止の仕組みがない

このような状態では、人が増えても教育に時間がかかります。
担当者が休んだり退職したりすると、業務が止まってしまうこともあります。

そこで必要になるのが、「文章化」と「仕組み化」です。

文章化とは、頭の中にある業務を、誰が見てもわかる形にすることです。
作業手順書、マニュアル、チェックリスト、社内ルール、教育資料などがこれにあたります。

この部分ではChatGPTが役立ちます。

一方で、仕組み化とは、その文章化した業務を、実際に回しやすい形にすることです。
入力フォーム、管理表、自動集計、通知、ファイル整理、確認リストなどがこれにあたります。

この部分ではCodexが役立ちます。

つまり、ChatGPTで業務を整理し、Codexでそれを使いやすい形にする。
この流れが、中小企業のAI活用ではとても重要になります。

たとえば、外国人スタッフの教育ではどう使うか

外国人スタッフを雇用している会社では、教育やコミュニケーションの面で悩むことがあります。

たとえば、

・作業内容を日本語で説明しても伝わりにくい
・注意事項がうまく理解されていない
・同じミスが繰り返される
・教育の進み具合が担当者によってバラバラ
・誰がどこまで教えたのか記録が残っていない

このような場合、ChatGPTとCodexを組み合わせることで改善できる可能性があります。

まずChatGPTを使って、作業手順をやさしい日本語に直します。
必要に応じて、母語に近い表現や、写真を使った説明文のたたき台を作ることもできます。

次にCodexを使って、教育の進み具合を管理するチェックリストや、作業確認用の入力フォームを作ります。

これにより、単に「説明する」だけでなく、
「説明した内容が記録に残る」
「誰がどこまで理解したか確認できる」
「次に何を教えればよいかわかる」
という状態に近づけることができます。

これは外国人スタッフだけでなく、新人教育全般にも役立ちます。

たとえば、書類管理ではどう使うか

中小企業では、紙、PDF、Excel、写真、メール添付ファイルなど、さまざまな形で書類が存在しています。

請求書、見積書、注文書、契約書、作業報告書、点検記録、在留資格に関する書類など、重要な書類ほど整理が必要です。

しかし実際には、

・ファイル名の付け方がバラバラ
・どこに保存したかわからない
・最新版がどれかわからない
・担当者ごとに管理方法が違う
・紙とデータが混在している

ということがよくあります。

このような場合、ChatGPTは「どのようなルールで整理すればよいか」を考える相談相手になります。

たとえば、
「請求書のファイル名ルールを考えてください」
「外国人スタッフの雇用関係書類を管理する項目を整理してください」
「契約書を管理する台帳の項目案を作ってください」
といった使い方です。

一方でCodexは、そのルールに沿ってファイル名を変更したり、一覧表を作ったり、管理しやすい形式に整えたりするツールづくりに使えます。

このように、ChatGPTでルールを考え、Codexで実際に処理できる形にすることで、書類管理の負担を減らすことができます。

初心者がつまずきやすいポイント

ChatGPTもCodexも便利なAIですが、初めて使う場合にはいくつか注意点があります。

まず、AIに何を頼めばよいのかわからない、という問題があります。

「AIで何かできないか」と考えるだけでは、なかなか具体的な活用にはつながりません。
大切なのは、日々の業務の中で、どの作業に時間がかかっているのか、どこでミスが起きやすいのか、どの業務が担当者任せになっているのかを整理することです。

次に、指示の出し方です。

AIは便利ですが、あいまいな指示では期待どおりの答えが返ってこないことがあります。
特にCodexでは、「どのファイルを使うのか」「どのような形式にしたいのか」「どんなルールで処理したいのか」をできるだけ具体的に伝える必要があります。

さらに、作られたものをそのまま信用しすぎないことも大切です。

AIが作った文章やツールは、必ず人が確認する必要があります。
業務内容、法律、社内ルール、個人情報の扱いなどに関わる部分では、特に慎重な確認が必要です。

行政書士として、AI活用の最初の一歩を支援します

AI活用は、ツールを入れれば終わりではありません。

特に中小企業では、実際の業務内容を確認しながら、どこに使うのがよいか、どのような形にすれば現場で使いやすいかを考える必要があります。

私は行政書士として、外国人雇用や中小企業支援の視点を大切にしながら、Codexを活用した業務改善の伴走サポートに取り組んでいます。

たとえば、

・業務の棚卸し
・AIで改善しやすい作業の整理
・ChatGPTとCodexの使い分け
・やさしい日本語のマニュアル作成
・外国人スタッフ向けの説明資料づくり
・在留期限や雇用関係書類の管理方法の検討
・ExcelやPDFまわりの小さな業務改善
・社内でAIを使う際のルールづくり

こうした部分を、会社の状況に合わせて一緒に考えていきます。

初心者が一人でCodexを使い始めると、設定、指示の出し方、エラー対応、情報管理などでつまずくことがあります。
だからこそ、最初から完璧を目指すのではなく、身近な困りごとを一つずつ整理し、小さな改善から始めることが大切です。

まとめ

ChatGPTとCodexは、どちらもAIですが、得意なことが違います。

ChatGPTは、文章を作る、考えを整理する、説明をわかりやすくする、アイデアを出すことが得意です。
中小企業にとっては、相談相手や文章作成の補助者として使いやすいAIです。

一方でCodexは、業務ツールや仕組みづくりを手伝うAIです。
Excel作業の効率化、ファイル整理、入力フォーム作成、チェックリスト管理、自動集計など、日々の業務を実際にラクにする仕組みづくりに向いています。

中小企業のAI活用では、ChatGPTで業務を整理し、Codexで仕組み化するという考え方が有効です。

大切なのは、AIを特別なものとして構えることではありません。
まずは、毎回時間がかかっている作業、ミスが起きやすい作業、担当者しかわからない作業を見つけることです。

そこから、AIを使った業務改善の第一歩が始まります。

次回は、Excel作業をもっとラクにする方法について、見積書、請求書、台帳管理などの身近な業務を例に考えていきます。

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Katsについて

見よう見まねでまずはホームページを立ち上げてみました。これから少しずつレベルアップしていくと思うので、長い目で見てやってください。

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