小さく始めるDX:Codexで“自社専用ツール”を作る第一歩

― Codexで始める業務改善10のヒント【第10回】

これまで全10回にわたり、「人手不足時代の中小企業AI活用」をテーマに、Codexを使った業務改善について考えてきました。

人手不足は、多くの中小企業にとって避けて通れない課題です。

求人を出しても応募が集まらない。
採用しても教育に時間がかかる。
ベテラン社員に仕事が集中する。
現場も事務も忙しく、改善に手が回らない。
外国人スタッフを受け入れても、説明や教育、書類管理に負担がかかる。

このような状況の中で、会社がこれまでと同じやり方を続けるだけでは、担当者の負担はなかなか減りません。

そこで重要になるのが、日々の業務を少しずつ見直し、限られた人数でも仕事を回しやすい仕組みを作ることです。

その手段の一つが、AIの活用です。

そして、Codexは、その中でも「自社に合った小さな業務改善ツール」を作るために役立つAIです。

中小企業に必要なのは、大きなDXだけではない

DXという言葉を聞くと、大規模なシステム導入や、会社全体の改革をイメージする方も多いかもしれません。

もちろん、会社の規模や業務内容によっては、本格的なシステム導入が必要になる場合もあります。

しかし、多くの中小企業にとって、最初から大きなDXを目指す必要はありません。

むしろ、最初に取り組むべきなのは、日々の業務の中にある小さな困りごとです。

たとえば、

・毎月同じExcel集計をしている
・ファイル名がバラバラで書類を探すのに時間がかかる
・紙の点検表をあとでExcelに転記している
・作業手順がベテラン社員の頭の中にしかない
・新人教育の内容が担当者によって違う
・外国人スタッフに作業内容が伝わりにくい
・在留期限や契約更新時期の管理が不安
・面談記録や教育記録が残っていない
・社内ルールが口頭説明だけになっている

こうした一つひとつの困りごとは、決して派手ではありません。

しかし、毎日、毎週、毎月と繰り返されることで、会社全体の大きな負担になります。

中小企業のDXは、こうした身近な業務の見直しから始めるのが現実的です。

Codexで作れる“自社専用ツール”とは

Codexを使うと、自社の業務に合わせた小さなツールを作ることができます。

ここでいう“自社専用ツール”とは、立派なシステムのことではありません。

たとえば、次のようなものです。

・Excelデータを自動で整えるツール
・請求書や見積書のファイル名を統一するツール
・フォルダ内のPDF一覧を作るツール
・作業日報を入力しやすくするフォーム
・点検チェックリスト
・教育進捗管理表
・在留期限管理表
・雇用契約の更新管理表
・写真付きマニュアルのひな形
・面談記録表
・AI利用チェックリスト
・社内ルール確認表

どれも、大企業が導入するような大規模システムではありません。

しかし、現場や事務担当者にとっては、日々の負担を軽くする効果があります。

たとえば、毎月1時間かかっていた集計作業が20分になれば、その分ほかの仕事に時間を使えます。

ファイル名が統一され、必要な書類をすぐに探せるようになれば、確認や再作成の手間が減ります。

教育チェックリストがあれば、新人や外国人スタッフに何を教えたか、どこまで理解しているかを確認しやすくなります。

在留期限管理表があれば、更新時期の見落としを防ぎやすくなります。

小さなツールでも、業務の中で繰り返し使われるものであれば、大きな効果があります。

まずは「困っている作業」を一つ選ぶ

Codex活用を始めるときに大切なのは、最初から大きなものを作ろうとしないことです。

「あれも自動化したい」
「これも便利にしたい」
「会社全体を一気に変えたい」

そう考えると、かえって手が止まってしまいます。

最初は、身近な困りごとを一つ選ぶだけで十分です。

たとえば、

・毎月の集計作業をラクにしたい
・ファイル名をそろえたい
・書類の保存場所を整理したい
・点検表の記入漏れを減らしたい
・教育記録を残したい
・マニュアルを更新しやすくしたい
・外国人スタッフ向けの説明資料を整えたい
・在留期限を一覧で確認したい

このように、目的を一つに絞ります。

そして、その作業について、

・誰が使うのか
・どの作業に時間がかかっているのか
・どこでミスが起きやすいのか
・どの情報を入力するのか
・最終的にどの形で見たいのか
・人が必ず確認すべき部分はどこか

を整理します。

Codexは便利ですが、何を作るべきかを決めるのは人間です。

まずは業務の流れを整理することが、AI活用の第一歩になります。

小さく作って、使って、直す

Codexを使った業務改善では、最初から完璧なツールを作る必要はありません。

むしろ、最初は簡単な試作品で十分です。

たとえば、教育チェックリストを作る場合でも、最初から多機能な管理システムを作る必要はありません。

まずは、

・スタッフ名
・教育項目
・説明日
・説明担当者
・理解度
・再確認が必要な内容

といった基本項目だけで始めることができます。

実際に使ってみると、

「次回確認日も入れたい」
「作業ごとに分類したい」
「外国人スタッフ向けに、やさしい日本語の説明欄がほしい」
「印刷したときに見やすくしたい」
「担当者ごとに一覧を見たい」

といった改善点が出てきます。

それを少しずつ直していけばよいのです。

大切なのは、作って終わりにしないことです。

実際に使う。
現場の声を聞く。
使いにくい部分を直す。
必要な項目を追加する。
不要な機能を削る。

この繰り返しによって、自社に合ったツールになっていきます。

ChatGPTとCodexを組み合わせる

この特集では、ChatGPTとCodexの違いについても取り上げてきました。

ChatGPTは、文章を作る、考えを整理する、説明をわかりやすくする、アイデアを出すことが得意です。

Codexは、業務ツールや仕組みづくりを手伝うことが得意です。

中小企業のAI活用では、この二つを組み合わせると効果的です。

たとえば、作業手順書を作る場合。

まずChatGPTで、現場の作業内容を新人向けにわかりやすく整理します。
外国人スタッフ向けであれば、やさしい日本語に直します。
必要に応じて、写真を入れる場所や注意点も整理します。

次にCodexで、その作業手順書をもとに、教育チェックリストや理解度確認表、マニュアル管理表を作ります。

また、書類管理の場合。

ChatGPTで、ファイル名のルールやフォルダ構成を考えます。
Codexで、そのルールに沿ってファイル名を整えたり、フォルダ内のファイル一覧を作ったりします。

このように、

ChatGPTで整理する。
Codexで仕組みにする。

この流れを意識すると、AI活用が実務につながりやすくなります。

外国人雇用企業にこそ、仕組みづくりが必要

外国人スタッフを雇用する中小企業では、特に仕組みづくりが重要です。

在留資格の確認、在留期限の管理、雇用契約、労働条件、教育記録、面談記録、作業手順書、やさしい日本語の資料など、管理すべきことが多くあります。

これらを担当者の記憶や経験だけに頼っていると、確認漏れや引き継ぎ漏れが起きる可能性があります。

たとえば、

・在留期限が近づいていることに気づくのが遅れた
・雇用契約の更新時期を見落とした
・教育内容が記録されていなかった
・本人が困っていたことに気づけなかった
・作業手順がうまく伝わらずミスが起きた
・日本人スタッフとの間で誤解が生じた

こうした問題を防ぐためには、日々の管理を見える化することが大切です。

Codexを使えば、在留期限管理表、必要書類チェックリスト、教育進捗表、面談記録表、作業手順チェックリストなど、自社に合った管理ツールを作ることができます。

外国人雇用は、採用して終わりではありません。

安心して働き続けてもらうためには、手続き面だけでなく、職場での説明、教育、相談、フォローの仕組みが必要です。

AIは、その仕組みづくりを支える道具になります。

情報管理を忘れない

AI活用を進めるうえで、情報管理は必ず意識する必要があります。

これまでの記事でも何度か触れてきましたが、AIに何でも入力してよいわけではありません。

特に、次のような情報は慎重に扱う必要があります。

・個人情報
・顧客情報
・取引先情報
・契約書
・図面や技術情報
・給与情報
・評価情報
・在留カード情報
・パスポート情報
・雇用契約書
・面談記録

Codexでツールを作る場合も、最初はサンプルデータで試すことが大切です。

実際の氏名、住所、在留カード番号、取引先名、金額などをそのまま使う必要はありません。

まずは、

・スタッフA
・取引先A
・サンプル請求書
・仮の金額
・仮の日付

といった情報で試します。

そして、ツールが正しく動くことを確認してから、会社の安全な環境で実データを扱います。

また、作成したツールは必ずテストする必要があります。

ファイルを一括で変更するツール。
データを集計するツール。
期限を判定するツール。
保存場所を変更するツール。

こうしたものは便利ですが、間違えると影響も大きくなります。

AI活用では、便利さと安全性をセットで考えることが重要です。

自社専用ツールは“業務の見える化”から生まれる

Codexで自社専用ツールを作るといっても、いきなりAIに「便利なツールを作って」と頼むだけではうまくいきません。

まず必要なのは、業務の見える化です。

たとえば、請求書作成を改善したい場合は、

・どのデータを使うのか
・誰が入力するのか
・どのタイミングで作成するのか
・どの項目を確認するのか
・PDFで保存するのか
・メール送付まで管理するのか
・請求済みかどうかをどう確認するのか

を整理する必要があります。

外国人スタッフの在留期限管理であれば、

・誰の情報を管理するのか
・どの項目が必要か
・何日前に確認したいのか
・更新手続きの進捗をどう管理するのか
・誰が確認するのか
・どの書類とひも付けるのか

を考える必要があります。

つまり、Codex活用は、単なるIT化ではありません。

自社の業務を整理し、ムダやリスクを見つけ、改善できる形にする取り組みです。

この過程そのものが、会社の業務改善につながります。

初心者が一人で進めるとつまずきやすい

Codexは便利な道具ですが、初心者が一人で使い始めると、つまずくことも少なくありません。

たとえば、

・何から始めればよいかわからない
・AIにどう指示すればよいかわからない
・エラーが出たときに対応できない
・作られたツールが正しく動いているか不安
・実際の業務に合った形にできない
・情報管理に問題がないか判断しにくい
・作ったあと、どう運用すればよいかわからない

このような壁があります。

AI活用で大切なのは、ツールを作ることだけではありません。

業務を整理する。
小さく試す。
安全に使う。
現場に合わせて直す。
運用ルールを作る。
継続して改善する。

ここまで含めて考える必要があります。

だからこそ、中小企業のAI活用では、伴走支援が役立ちます。

行政書士として、Codex活用を伴走サポートします

私は行政書士として、外国人雇用や中小企業支援の視点を大切にしながら、Codexを活用した業務改善の伴走サポートに取り組んでいます。

行政書士というと、在留資格や許認可申請、契約書などの手続きをイメージされる方が多いかもしれません。

もちろん、外国人雇用に関する在留資格、雇用関係書類、更新時期の管理などは重要な支援分野です。

しかし、外国人スタッフを受け入れ、長く安心して働いてもらうためには、手続きだけでなく、職場の仕組みづくりも欠かせません。

たとえば、

・在留期限管理表を作る
・必要書類チェックリストを整える
・雇用契約や更新時期を管理する
・やさしい日本語の作業手順書を作る
・写真付きマニュアルを整備する
・教育チェックリストを作成する
・面談記録表を作る
・社内ルールをわかりやすく整理する
・AIを使う際の情報管理ルールを作る
・Codexで小さな業務ツールを作る

こうした取り組みを、会社の実情に合わせて一緒に考えていきます。

私は、AIを紹介して終わりではなく、実際の業務で使える形に落とし込み、使いながら改善していくところまで伴走してサポートしていきたいと考えています。

「何から始めればよいかわからない」
「自社の業務に使えるのか知りたい」
「外国人スタッフ向けの管理や教育に活用したい」
「Excelや書類管理を少しでもラクにしたい」

このような段階からでも、一緒に小さな一歩を考えることができます。

まとめ:AI活用は小さな一歩から始められる

人手不足時代の中小企業にとって、AI活用は特別な会社だけのものではありません。

むしろ、人員に余裕がなく、一人ひとりが多くの業務を抱えている中小企業こそ、日々の小さな負担を減らす工夫が必要です。

Codexを活用すれば、Excel作業、書類整理、点検表、日報、教育記録、在留期限管理、面談記録、マニュアル管理など、自社に合った小さな業務改善ツールを作ることができます。

大切なのは、最初から大きなDXを目指すことではありません。

まずは、毎回時間がかかっている作業を見つける。
担当者しかわからない業務を見える化する。
ミスや確認漏れが起きやすい部分を整理する。
サンプルデータで小さく試す。
実際に使ってみる。
現場の声を聞いて直す。

この積み重ねが、自社に合ったAI活用につながります。

AIは、人を置き換えるためのものではありません。
人が本来やるべき判断、技術、接客、教育、改善活動に時間を使えるようにするための道具です。

人手不足の時代だからこそ、今いる人が働きやすくなる仕組みを作ること。
新人や外国人スタッフが安心して働ける環境を整えること。
担当者任せの業務を少しずつ見える化すること。

その第一歩として、Codexを活用した小さな業務改善から始めてみてはいかがでしょうか。

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Katsについて

見よう見まねでまずはホームページを立ち上げてみました。これから少しずつレベルアップしていくと思うので、長い目で見てやってください。

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