作業手順書・マニュアル作成を効率化する:新人教育に使えるAI活用

― Codexで始める業務改善10のヒント【第6回】

中小企業の現場では、仕事の進め方がベテラン社員の経験や勘に頼っていることが少なくありません。

「あの人に聞けばわかる」
「見て覚えてもらう」
「前にも説明したから大丈夫」
「細かいところは現場で覚えてもらう」

このようなやり方で仕事が回っている会社も多いと思います。

もちろん、現場で実際に見て覚えることは大切です。
しかし、人手不足の時代には、それだけでは限界があります。

新人が入っても教育に時間がかかる。
教える人によって説明内容が違う。
同じ質問に何度も答える必要がある。
外国人スタッフに作業内容がうまく伝わらない。
ベテランが退職すると、仕事の進め方がわからなくなる。

このような問題を防ぐためには、作業手順や社内ルールを「見える化」しておくことが重要です。

第6回では、作業手順書やマニュアル作成を効率化する方法について、ChatGPTやCodexを活用した業務改善の視点から考えていきます。

マニュアル作成は後回しにされやすい

作業手順書やマニュアルは、必要だとわかっていても後回しにされがちです。

理由は簡単です。
作るのに手間がかかるからです。

現場の作業を思い出しながら文章にする。
写真を撮る。
注意点を整理する。
誰が読んでもわかる表現に直す。
印刷したり、社内で共有したりする。
変更があれば更新する。

これを日々の仕事の合間に行うのは、簡単ではありません。

そのため、実際には次のような状態になりやすくなります。

・マニュアルがない
・古いマニュアルがそのまま残っている
・作った人しか意味がわからない
・文章が難しくて新人に伝わらない
・写真や図がなく、イメージしづらい
・現場の実際の作業と内容が合っていない
・更新されずに放置されている

マニュアルは、作ること自体が目的ではありません。
新人や担当者が見て、実際に仕事を理解し、同じように作業できるようにするためのものです。

そのためには、現場で使える形にすることが大切です。

人手不足の時代にマニュアルが重要な理由

人手不足の時代には、マニュアルや作業手順書の重要性が高まります。

なぜなら、限られた人数で仕事を回すには、特定の人にしかわからない業務を減らす必要があるからです。

たとえば、ある作業を一人のベテラン社員だけが理解している場合、その人が休んだり、異動したり、退職したりすると、業務が止まる可能性があります。

また、新人や外国人スタッフを受け入れる場合にも、マニュアルは大きな役割を果たします。

口頭だけの説明では、聞き漏れや理解の違いが起きます。
教える人によって説明内容が変わることもあります。
一度聞いただけでは覚えきれないこともあります。

しかし、作業手順書があれば、あとから見直すことができます。
チェックリストがあれば、確認漏れを防ぎやすくなります。
写真付きの資料があれば、言葉だけでは伝わりにくい内容も理解しやすくなります。

つまり、マニュアルは単なる資料ではなく、人手不足を補うための「教育の仕組み」です。

ChatGPTで作業内容を文章化する

マニュアル作成でまず役立つのが、ChatGPTです。

ChatGPTは、文章を整理したり、わかりやすく言い換えたり、構成を作ったりすることが得意です。

たとえば、現場の作業内容を箇条書きで入力し、

「この内容を新人向けの作業手順書にしてください」
「注意点がわかるように整理してください」
「やさしい日本語で書き直してください」
「チェックリスト形式にしてください」
「写真を入れる場所がわかるように構成してください」

と依頼することで、マニュアルのたたき台を作ることができます。

最初から完璧な文章を書こうとする必要はありません。

まずは、現場の担当者が普段説明している内容をメモにする。
そのメモをChatGPTで整理する。
出てきた文章を現場の実態に合わせて修正する。

この流れであれば、ゼロからマニュアルを作るよりもかなり始めやすくなります。

作業手順書に入れるべき基本項目

作業手順書を作るときは、必要な項目をある程度そろえておくと便利です。

たとえば、次のような項目です。

・作業名
・作業の目的
・対象となる人
・使用する道具や材料
・作業前の確認事項
・作業手順
・注意点
・よくあるミス
・異常時の対応
・作業後の確認
・責任者や確認者
・更新日

このような項目を決めておくと、マニュアルの形式が統一されます。

形式が統一されると、読む側も理解しやすくなります。
また、新しい作業手順書を作るときにも、何を書けばよいか迷いにくくなります。

特に中小企業では、担当者ごとに資料の作り方がバラバラになりがちです。
そのため、まずは社内で共通のマニュアル様式を作ることが効果的です。

やさしい日本語で伝える

外国人スタッフを雇用している会社では、マニュアルや作業手順書を「やさしい日本語」で作ることも重要です。

やさしい日本語とは、難しい言葉や複雑な表現を避け、相手に伝わりやすい日本語にする考え方です。

たとえば、

「作業終了後、速やかに報告してください」

という表現よりも、

「仕事が終わったら、すぐにリーダーに言ってください」

のほうが伝わりやすい場合があります。

また、

「異常を発見した場合は、直ちに作業を中止すること」

という表現は、

「いつもと違うことがあったら、すぐに作業を止めてください。リーダーを呼んでください」

のようにすると、具体的でわかりやすくなります。

やさしい日本語にする際には、次のような工夫が役立ちます。

・一文を短くする
・難しい漢字や専門用語を減らす
・あいまいな表現を避ける
・「誰が」「何を」「いつ」するのかをはっきり書く
・注意事項は具体的に書く
・写真や図を使う
・禁止事項はわかりやすく示す

ChatGPTは、このような言い換えにも活用できます。

ただし、AIが作った文章をそのまま使うのではなく、実際の現場で伝わる表現かどうか、人が確認することが大切です。

写真付きマニュアルは現場で使いやすい

作業手順書は、文章だけでなく写真を入れることで、かなりわかりやすくなります。

特に現場作業では、言葉だけでは伝えにくい内容が多くあります。

・部品の向き
・工具の使い方
・ボタンの場所
・危険箇所
・完成状態
・不良品の例
・清掃する場所
・確認するポイント

こうした内容は、写真があると一目で伝わります。

たとえば、作業手順ごとに写真を入れて、

  1. この部品を準備します
  2. この向きでセットします
  3. このボタンを押します
  4. ランプが緑になったら確認します
  5. 終わったらこの場所に置きます

というようにすると、新人や外国人スタッフにも理解しやすくなります。

Codexを活用すれば、写真を整理したり、ファイル名をそろえたり、写真付きマニュアルのひな形を作ったりすることもできます。

たとえば、作業ごとに写真を保存するフォルダを作り、写真ファイル名を「手順01」「手順02」のように整理しておくと、マニュアル作成がしやすくなります。

Codexでマニュアル作成を仕組み化する

ChatGPTが文章作成を助けるのに対して、Codexはマニュアル作成や管理を仕組み化する部分で役立ちます。

たとえば、次のようなツールが考えられます。

・作業手順書のテンプレート作成ツール
・写真付きマニュアルのひな形作成
・チェックリスト自動作成
・作業名や担当部署ごとのマニュアル一覧表
・更新日や確認者を管理する台帳
・教育記録とマニュアルをひも付ける管理表
・古いマニュアルを一覧で確認するツール
・PDF化して保存する仕組み

マニュアルは作って終わりではありません。
実際の作業が変われば、マニュアルも更新する必要があります。

しかし、更新日や責任者が管理されていないと、古い内容がそのまま使われてしまうことがあります。

Codexを使って、マニュアルの一覧表や更新管理表を作ることで、

・どのマニュアルがあるか
・いつ作成したか
・最後に更新したのはいつか
・誰が確認したか
・次回見直し時期はいつか

を確認しやすくできます。

これは、品質管理や教育管理の面でも役立ちます。

教育チェックリストとして活用する

マニュアルを作ったら、それを教育に活かす仕組みも大切です。

新人や外国人スタッフに対して、どの作業を説明したのか、どこまで理解できているのかを記録しておくことで、教育の抜け漏れを防ぎやすくなります。

たとえば、教育チェックリストには次のような項目が考えられます。

・スタッフ名
・作業名
・説明日
・説明担当者
・実施確認日
・理解度
・注意点
・再確認が必要な項目
・次回確認日

Codexを使えば、このような教育チェックリストをExcelや入力フォームとして作ることができます。

また、マニュアル番号や作業名とひも付けておけば、

「この人はどの作業まで教育を受けたか」
「どの作業で再確認が必要か」
「次に教えるべき内容は何か」

を確認しやすくなります。

教育を人の記憶だけに頼らず、記録として残すことは、会社にとって大きな安心につながります。

マニュアルは外国人スタッフだけのためではない

外国人スタッフ向けにマニュアルを整備するというと、「外国人のためだけの対応」と思われるかもしれません。

しかし、実際にはそうではありません。

やさしい日本語で書かれたマニュアル、写真付きの作業手順書、確認漏れを防ぐチェックリストは、日本人スタッフにとっても役立ちます。

新人社員、パート社員、派遣社員、応援に来た社員、久しぶりにその作業を行う社員など、誰にとってもわかりやすい資料になります。

つまり、外国人雇用をきっかけにマニュアルを整備することは、会社全体の業務改善になります。

「外国人スタッフにも伝わる説明」は、「誰にでも伝わりやすい説明」につながります。

これは、職場の安全性、品質、教育効率、定着率の向上にも関係します。

マニュアル作成で注意したいこと

AIを使ってマニュアルを作成する場合には、いくつか注意点があります。

まず、AIが作った文章をそのまま使わないことです。

AIは文章を整えるのが得意ですが、現場の実際の作業を完全に理解しているわけではありません。
危険箇所、設備の特徴、社内ルール、法令上の注意点などは、必ず人が確認する必要があります。

特に、次のような内容は慎重に確認する必要があります。

・安全に関する注意事項
・機械や設備の操作方法
・薬品や危険物の取り扱い
・個人情報の取り扱い
・労務管理に関する内容
・在留資格や雇用に関する説明
・法律や制度に関する記載

また、マニュアルは作ったあとに現場で試すことも大切です。

実際に新人や外国人スタッフに読んでもらい、伝わりにくい部分がないか確認します。

「この言葉がわからない」
「写真がないとわかりにくい」
「手順の順番が現場と違う」
「注意点がもっと具体的に必要」

このような意見をもとに、マニュアルを改善していくことが大切です。

情報管理にも注意する

マニュアル作成では、会社の業務内容や現場の写真、設備情報、顧客情報などが関係する場合があります。

そのため、AIを使う際には情報管理に注意が必要です。

特に、次のような情報は慎重に扱う必要があります。

・製品や工程に関する秘密情報
・顧客名や取引先情報
・従業員の個人情報
・外国人スタッフの在留資格や雇用情報
・設備や図面に関する情報
・不具合やクレームに関する情報

AIに入力する情報は、必要に応じて匿名化したり、サンプルデータに置き換えたりすることが大切です。

また、会社としてAIを使う場合には、

・入力してよい情報
・入力してはいけない情報
・作成した資料を誰が確認するか
・保存場所や共有範囲
・更新責任者
・古い資料の扱い

といったルールを決めておく必要があります。

AIを安全に活用するには、便利さだけでなく、情報管理の仕組みも一緒に整えることが重要です。

行政書士として、マニュアル整備とAI活用を伴走します

私は行政書士として、外国人雇用や中小企業支援の視点を大切にしながら、Codexを活用した業務改善の伴走サポートに取り組んでいます。

外国人スタッフを雇用する企業にとって、在留資格や雇用関係の手続きはもちろん重要です。
しかし、それだけでは十分ではありません。

外国人スタッフが安心して働き、長く定着するためには、職場での説明、教育、ルールの共有、相談しやすい環境づくりが大切です。

そのためには、次のような取り組みが役立ちます。

・作業手順書をやさしい日本語で整える
・写真付きマニュアルを作る
・教育チェックリストを作成する
・理解度を確認できる仕組みを作る
・社内ルールをわかりやすくまとめる
・在留期限や雇用契約の更新時期を管理する
・マニュアルの更新状況を一覧で管理する

Codexを使えば、これらを管理する小さなツールや表を作ることができます。

ただし、初心者が一人で取り組むと、どこから始めればよいのか、どの情報をAIに入れてよいのか、どのような形にすれば現場で使いやすいのかで迷うことがあります。

私は、AIを使った資料作成やツール作成を、会社の実情に合わせて一緒に整理し、実際に使える形にするところまでサポートしていきたいと考えています。

まとめ

人手不足の時代には、作業手順や社内ルールを特定の人の経験や記憶だけに頼ることは大きなリスクになります。

新人や外国人スタッフに安心して働いてもらうためにも、作業手順書やマニュアルを整備し、教育の仕組みを作ることが大切です。

ChatGPTを使えば、作業内容の文章化、やさしい日本語への言い換え、チェックリスト化、マニュアルのたたき台作成を効率化できます。

Codexを使えば、マニュアルのテンプレート作成、写真整理、教育チェックリスト、更新管理表、入力フォームなど、実際に使える仕組みづくりにつなげることができます。

大切なのは、立派なマニュアルを一度作って終わりにすることではありません。

現場で使える形にする。
新人や外国人スタッフに伝わる表現にする。
実際に使ってみて直す。
更新状況を管理する。
教育記録と結びつける。

こうした小さな取り組みの積み重ねが、現場の負担を減らし、人材の定着にもつながります。

次回は、外国人スタッフにも伝わる職場づくりについて、やさしい日本語と多言語対応を中心に考えていきます。

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Katsについて

見よう見まねでまずはホームページを立ち上げてみました。これから少しずつレベルアップしていくと思うので、長い目で見てやってください。

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